ふだんづかいの倫理学

9件の記録
- 読書猫@YYG_32025年3月22日読み終わった(本文抜粋) “倫理、道徳というのは、人間の生き方や行為についての価値規範のこと。ざっくり言えば、そういうことです。ソクラテス流に言えば、「よく生きるとは何かを知ること」です。” “道徳や倫理っていうのは、空気のようなものです。目にも見えないし、あって当たり前で、特にありがたいとは思わない。でも実際には、それがないと生きていけない。” “「自分は正義なんか嫌いだ」という人も案外多いのですが、そういう人たちが嫌いなのは、実は正義ではなくて、こんな風に「正義が力によって、自分の考えとは違う形で決定される」ということじゃないかなと思えます。「正義なんか嫌い」と言う人ほど、実は真面目に、強く正義を求めているのです。” “「これが自分だ」と言えるためには、一貫していなきゃいけない。もちろん、どのように生きるのかは我々の自由なので、決めるのは自分です。ただ、そのときどきにしたいことをして生きるだけではなく、人生をトータルに捉えて、「自分はこうして生きていきたい、生きていくんだ」という、生き方の原則のようなものを自分で作り出す、これが自律です。これができるようになって初めて、我々は自分自身の人生を生き始めることになります。” “「必要がないことを長い時間をかけてやり続けることは怖いだろう? 一度しかない人生において、結果が全く出ないかもしれないことに挑戦するのは怖いだろう。無駄なことを排除するということは、危険を回避するということだ。臆病でも、勘違いでも、救いようのない馬鹿でもいい、リスクだらけの舞台に立ち、常識を覆すことに全力で挑める者だけが漫才師になれるのだ。それがわかっただけでもよかった。この長い年月をかけた無謀な挑戦によって、僕は自分の人生を得たのだと思う」(本書で引用されている又吉直樹『火花』より)”