霊性の日本思想

9件の記録
- 七瀬由惟/Yui Nanase/あーしぇ@ashe_dalmasca2025年8月23日読み終わった王権(権力側)と神仏の関係から日本思想史を大伝統、中伝統、小伝統にわける方法論は、そこに歴史のなんらかの断絶や跳躍があるとみる考えかたのように最初は思えたのだけれど、霊性をひとつの軸として考えると、この分類はゆるやかに変化を遂げる日本人の考えかたをうまく表していると、思えるようになった。 本書後半の第二部は、近現代日本の個別のイシュー(憲法とか、カルトとか)を取り上げているので、いわゆる霊性とよばれるものはやや見えにくくなってしまう。果たしてこののち、日本は、ミクロ伝統とか、ナノ伝統とか、さらに目には見えない伝統へと(それは伝統というのか)、突き進んで行くのだろうか。スピ全盛のこの時代だからこそ、霊性を語る際には微視的にならないほうがよいように感じる。 あと単純に末木文美士「日本思想」vs.納富信留「日本哲学」を新書で読んでみたい。
- 柿内正午@kakisiesta2025年3月22日読み終わった王権と神仏との距離で時代区分を設定し、思想史を素描するというアイデアは面白く、だからこそもっと発展させてほしかった。終盤に行くにつれアイデアスケッチ然としてきて食い足りない。 『霊的最前線に立て!』的な与太話とくらべればどうしても飛距離はない。かといって学術的な厚みが感じられるでもなく、初学者への動線の目配りも微妙で、やや物足りなさもありつつ、端的なレジュメとしてここからあれこれ考えるのは楽しそう。日本の大乗仏教について詳しくなってから読み返すと違うかもしれない。あと、図示するほどでもないシンプルな図が出てくるのが可笑しい。宗教家やオカルティストたちの、やたら書き込まれたごちゃごちゃした図と対照的で。
- 柿内正午@kakisiesta2025年3月19日読んでる今朝はまじで起きれなくて、在宅に切り替えていっぱい寝た。だから朝の読書時間はなかった。退勤後、片道二時間移動する用事があったので本は読めた。 安倍やトランプの政権を、近代的合理主義の普遍性(ウェーバー的な「脱魔術化」)が失効した後の再魔術化の徴として読むような箇所があり、僕がこの数年、明治期の心霊研究についてあれこれ読んできた気分の輪郭がより濃くなってきた気がする。
- 柿内正午@kakisiesta2025年3月18日読んでる通勤電車ではこれ。面白いけど、やっぱりそもそも仏教というか大乗仏教がよくわからんな。仏=悟りをひらくための諸実践の体系という、それじたいかなり個人主義的かつプラグマティックなものだと思うんだけど、阿弥陀如来とか観音菩薩とかなんかそういうありがたそうな強キャラはどっから出てきたんだ? 初期仏教との断絶ばかりが目につき、どこに連続性があることになってるのかさっぱり掴めないままでいる。
- 柿内正午@kakisiesta2025年3月17日読み始めた@ TOUTEN BOOKSTORE今月初めにTOUTEN BOOKSTORE で買った。お店で見つけるまで知らなかった本だ。 パラ読みしたところ、日本語文化圏の思想というのは、儒教や仏教、神道など、独自にばらばらのまま発展してきた種々の思想体系のなかで、それぞれ独自の語彙で語られてきた。そのため統合的な概観が困難である。 このような問題意識を踏まえ、「霊性」という近代以降の概念を遡求的に適用してみることで見晴らしをひらこうという試みっぽい。かなり面白そう。今日から読む。