熊野集

5件の記録
ジクロロ@jirowcrew2026年6月23日ただ狭い共同体の中で錯綜した力関係は互いに力を打ち消し合い、一人が力を集中して持つという事はなく、同時にエネルギーを相殺して澱んだ沼のように平穏になる。 (『海神』) 中上健次の路地の描写は「動脈」を彷彿させる。完結できないからこそ、外に脈として溢れ出す。これが路地のエネルギーではないかと思う。 一方で都市には静脈が網目状に広がる。一所に回収されるエネルギーの残滓。路地もまたその静脈に絡め取られる運命にある、という定説を覆したくて、中上健次は路地という人間の生きた血の流れる動脈に、文章でもって輸血したのかもしれない。

みん@meemee_03132026年6月7日また読んでいる生誕80年ということをついこの間知ったので、いろいろ再読してみたくなり、まずこの本を。 昔は独特の荒々しい文に惹かれていたけど、今は見ようとしないものが見えてしまったり、という中上のナイーブなところが気になっている。 路地からアメリカへ、韓国へ、排外主義が跋扈する世界を見たら彼はどう思うか。

