チーズとうじ虫【新装版】
10件の記録
- maki@makimaki2026年8月26日読み終わった主人公の粉挽屋がまず面白すぎる。こんなにおもしろい異端審問あるんかいというぐらい。中世の記録から丁寧に掘り起こしたのもすごい。裁判でここぞとばかりに、教会のお偉方に自分の解釈をぶちまけるのもすごい。例えも秀逸で、なんなら聖書より説得力ありそうな。よくこんなに喋れるなー。そういえば、イタリアの人は議論好きでよく話すの思い出した。あんまり日本の昔のお裁きで、被告が喋りまくるってない気がする。 出版文化の広がりとともに、特権階級だけが握っていた知識が、庶民に広がっていった。知識得た人の中には、体制に疑問が生じてくる人もいる。体制側がいくら押さえ込もうとしても、流れは止められない。 ちょうど日本の近代の出版についての本も読み終わったとこなので、比較ができておもしろかった。江戸後期の出版文化は、どちらかというと庶民の娯楽が広がっていったイメージがある。思想書が庶民の間に流通したという記述はそんなにみなかったけど、どうなんだろう。 意外だったのが、粉挽屋というのが農村ではアウトローな職業だったということ。村外れの風車小屋で、色んな場所からきたアングラな人たちが集まる場所だったらしい。なので粉挽屋は、ちょっと尖った思想を持ちがちだったかもしれない。他にもちょっとクセ強な粉挽屋が出てきて、興味深かった。 作者と翻訳された方の文章力のおかげで、イタリアのど田舎のクセ強めおじさんが気になってしょうがなくなった。
やなぽん@yanapong2026年5月31日買った読み終わった16世紀ヴェネツィア東方で生涯を過ごした粉挽きメノッキオ。彼が読んだ何冊かの本を元にした深い思索の末に、彼の中に育まれていった、ラディカルかつ農民的平等主義思想のキリスト教世界観、端的に言えばそれはローマ・カトリック協会から見れば異端に他ならない。いかにしてメノッキオがそれらの世界観を己の内に構築し、異端の疑いを受け、異端審問を受け、そして最終的に彼はどうなるのか。それまでの歴史学ではクローズアップされてこなかった一農民の心性から、16世紀における知の交流・伝播・受容を描き出す。当初翻訳刊行は1984年。












