星々の悲しみ (1984年) (文春文庫)

5件の記録
- やぎねこ@calicocapricorn2025年9月7日読み終わった宮本輝を読むのは、国語の文章読解以来だった。 どうして誰も教えてくれなかったのか、と軽く憤るほど夢中で読んだ。 小説全体を包み込む陰鬱だが幻想的/非現実的な雰囲気。うまく言葉にできないけれど、強く心を惹かれる感覚がある。おそらくは、どこか影を持つ登場人物たちに共感できるからだと思う。 「人が観て判れへんもんを創ったかて、しょうがないわねェ」(109) 古本を読んだのだが、以下のように書き込みがあった。 同じ気持ち ↓ 「何かの戯曲の中で読んだことがあったが、ぼくはまさしくそんな人間であるに違いなかった。勉強をしなければならないときがくると、きまってどうしようもなく小説を読みたくなったし、読書に疲れてくると、単語や数学の参考書に心を移してしまうのである。つまりノルマから絶えず逃げていたい人間で、努力するための努力すら出来ない性格であるらしかった。」(43)