世界地図の下書き
11件の記録
葉鳥@kihariko2025年10月14日読んでる朝井作品の中でも何故かノーマークだった作品。あれ?そういえばこの表紙をかつて見たことがあるかも…?とたまたま目に止まったのを気に読み始めた。そろそろ朝井リョウさんの著作リストを作ろう…。 児童養護施設が舞台の物語。両親を失ったり、引き取り手がいなかったりという理由で入居している子もいれば、保護者の金銭面や精神面などの理由から一時的に距離を置くために預けられている子もいて、子どもの世界から見るそれぞれの置かれた立場に胸が苦しくなる。夜中に1人でトイレへ行けなかった子が、自分の思っている以上に相手の心の機微を感じ取っているし、嘘もつけるというようなくだりにぐさっときた。





まいける@bluesky421952025年9月29日読み終わった感想前日読み終わった本で私の心にまで翳りが侵入していたので、朝井リョウさんに振り払って欲しかった。 朝井リョウさん、ありがとうございます。20代前半の作品らしく若さがほとばしっている。こういう色彩のある、熱のある話が読みたかった! 小学生の気持ちや思考パターン、会話にいたるまであまりにリアル。ストーリーはリアルでなくとも、朝井リョウさんが伝えたかったことが、一番のお姉さん、佐緒里を通して語られている。 優秀でありながら、直前で進学の道を諦めざるをえなかった彼女。いじめや虐待を受けている、受けた経験のある「青葉おひさまの家」の弟分妹分が、佐緒里との別れの前に夢をプレゼントしようとする。 逃げてもいい。どんな道を選んでも、道は狭まったりしない。必ず出会いと救いがある。 そう語る佐緒里自身が自分自身にも言い聞かせているんだとわかった時、どうしようもなく込み上げてくる。 この小説によって、心が軽くなった若者、読者はたくさんいるはず。 大袈裟に言うと文学の力、存在意義まで再確認できた。改めて朝井リョウさんに感謝したい。









