月まで三キロ

月まで三キロ
月まで三キロ
伊与原新
新潮社
2018年12月21日
2件の記録
  • 問題にぶつかり迷い、立ち止まってしまった人たちが、偶然出会った人たちをきっかけに、再び前へ進もうとするお話。 この作品のポイントは、進もうとする兆しは見えるものの、進んだその先を語ってないところ。 もっと言えば、ぶつかった問題についても些末なものとして扱ってる節があり、大部分はうちに秘めた自らの葛藤がメイン。 誰しもが大なり小なり問題や迷いをもつなかで、それらに対してどう折り合いをつけていくか、一緒に考えることができる、そんなきっかけとなる一冊でした。
  • 表題作の「この先にね、月に一番近い場所があるんですよ」という台詞が一周まわって染み渡る感じがする。 ただただ雪結晶が美しいという感情が根本にあったことに気づく人、アンモナイト研究を「中毒」という人、噴火をすると我先にと現場に集まってくる火山学者たち…そういう強い好奇心を持つ人が出てくると読んでいる身としてもとても嬉しくなる。
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