教育は遺伝に勝てるか?
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torajiro@torajiro2025年9月1日読み終わった@ 自宅ブルーバックスの『能力はどのように遺伝するのか』に続けての読了。同じテーマを扱っており著者の基本的なメッセージは共通している。 人の能力のほとんどは遺伝由来である。ただし、遺伝的な素質や好みがその人らしく発揮されるためには適切にその人らしく反応できるような環境が重要。またそもそも社会的な能力は特定の遺伝子に個別に対応しているわけではなく、複雑であるので、能力のほとんどが遺伝由来といえるからといって、生まれつきすべてが決まっていると言うように捉えるのは適切ではなく、自分の自分らしさというものを捉える基本として理解していくのが良い、という感じか。 ブルーバックスの方との大きな違いとして、一卵性双生児へのライフヒストリーのインタビュー調査がある。小さい頃から同じように過ごしていても、あるいは別々に過ごしていても、どちらにしても大きな価値観や人生の流れ、経験に共通性が見出せる興味深い聞き書き。遺伝の影響の強さと、一方で個々人の体験や感情の差と、人との出会いも含めた社会的な偶然と、色々なことを考えさせられる。

