きりぎりす改版

8件の記録
- さと@saty_11032025年4月27日再読中昔から家にあった短編集を再読 表題のきりぎりすが何回読んでも新しくて好きです この主人公の語り、映画「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」の松たか子で脳内再生される
- ゆい奈@tu1_book2025年4月1日読んで寝る寝るまえに太宰を読むことでホッとするみたいなところがあって、あるのだけど、今はもう、ねじまき鳥を寝ても覚めても一気に読むべきではないかとおもい、あと1週間後放送がはじまるし、さて、どうしようとこんな時間まで起きてしまっていて、悩む。本の読みはじめは悩まなければならないのがいやだな、連なりのある読書だったり、作家読みをするとこういうことで悩まなくていいから楽なのだな、だから私はそういうに読んでいるのだな、ぶつぎりになればなるほど、だめ。ほんとうに悩む。困る。
- 読書猫@YYG_32025年3月20日読み終わったまた読みたい読み直した(「きりぎりす」本文抜粋) “あなたは、ただのお人です。これからも、ずんずん、うまく、出世をなさるでしょう。くだらない。「私の、こんにち在るは」というお言葉を聞いて、私は、スイッチを切りました。一体、何になったお積りなのでしょう。恥じて下さい。「こんにち在るは」なんて恐しい無智な言葉は、二度と、ふたたび、おっしゃらないで下さい。ああ、あなたは早く躓いたら、いいのだ。私は、あの夜、早く休みました。電気を消して、ひとりで仰向に寝ていると、背筋の下で、こおろぎが懸命に鳴いていました。縁の下で鳴いているのですけれど、それが、ちょうど私の背筋の真下あたりで鳴いているので、なんだか私の背骨の中で小さいきりぎりすが鳴いているような気がするのでした。この小さい、幽かな声を一生忘れずに、背骨にしまって生きて行こうと思いました。この世では、きっと、あなたが正しくて、私こそ間違っているのだろうとも思いますが、私には、どこが、どんなに間違っているのか、どうしても、わかりません。”