白沼
@shironuma
趣味は現実逃避。読んだものの記録。
- 2025年8月22日一億年のテレスコープ春暮康一読み終わった遠くを見たい、という強い欲求のある望が、友人である新、縁と宇宙に旅立ち様々な文明に出会っていくファーストコンタクトものSF。 そもそも一億年のテレスコープというタイトルにロマンがありすぎる。話の内容にもぴったりだし、すごい。 望、新、縁の三人組が高校時代の友人たちを思い出させてくれて、ちょっと懐かしい気持ちになった。時間のスケール感が全然違うけど。 あと最後の最後まで飛行体の正体が分からなかったあたり、まだまだ本を読む経験が足りないなぁと思うなどした。
- 2025年8月4日正義の申し子染井為人読み終わった引きこもりの人気ユーチューバーのジョンと架空請求業者の鉄平が、相反したり協力したりしながら繰り広げる物語。 最初はジョンに対する共感性羞恥で読み進めるのがちょっと辛かったけど、中盤からクライマックスが面白すぎた。話の展開はほぼ予想通りなのに、ずっとワクワクしながら読んでた。すごい。 エピローグも良すぎてしばらく余韻に浸ってた。
- 2025年7月30日東京駅で消えた夏樹静子読み終わった東京駅で起こった3件の殺人事件。被害者の共通点は何か、犯人は誰か。どうやらかつて東京駅の工事であった何かが関係するらしいが…と謎を紐解いていく長編ミステリー。 久しぶりに正統派ミステリーを読んだ気がする。面白かった〜! 作中でも誰かが言ってたけど東京駅って不思議な引力や浪漫があるよなぁ。まんまと行きたくなってしまった。
- 2025年7月26日死仮面折原一読み終わった急死した夫の真相を探る雅代と、その夫が書いていた物語の中の僕の世界が交差して、何が現実か分からなくなるミステリー。 なんかすごい物語を読んだな…となる。そして…複雑!! 登場人物が不倫してたり別れた相手に未練たらたらなので、割と人間関係がどろどろ。ただみんな行動がぶっ飛んでいるので、あまりえぐみを感じず読み進められる。 仮面作り師の三田村さんが物語の鍵を握っているはずだと思って読んでたのに、普通に面だけ提供して帰っていくので笑ってしまった。
- 2025年7月24日そして名探偵は生まれた歌野晶午読み終わった表題の「そして名探偵は生まれた」と他3篇からなるミステリー短編集。 どの短編も結末にたどり着くまでに一回は「えっ!!?」となるポイントがあり、読んでて楽しかった。 4篇の中で一番好きなのは「そして名探偵は生まれた」かなぁ。影浦ホームズと武邑ワトソンのミステリーが始まると思ったのに…。
- 2025年7月18日悪文の構造千早耿一郎読み終わった技法ごとに悪文の例をあげながら、機能的な文章とは何かを示してくれる本。 文章の意味が誤解されて受け取られた時、読み手の読解力がないと言われがちだけど、書き手の文章が悪いことも多いよね〜と唸らされる本だった。 筆者が載せている悪文を書き直す訓練をするだけで文章を書く力が飛躍的に向上しそう。
- 2025年7月15日贖罪 (双葉文庫)湊かなえ読み終わった一緒に遊んでいた女の子5人のうち、1人が殺された。殺された女の子の母親から「必ず犯人を見つけなさい。それができないならわたしが納得できる償いをしなさい」と言われた残りの4人は、その後をどのように生きるのか、というお話。 人間って自分の手の届く範囲のことしか考えない身勝手な生き物だよねと思わされるお話だった。登場人物にリアリティがあるので余計にその実感が強くなるというか…。 言った人は忘れても言われた人には刺さり続けて呪いになる言葉ってたくさんあるよなぁ。 状況は鬱々としているけど読んでいると面白くて夢中になるお話だった。
- 2025年7月12日模倣犯 (五)宮部みゆき読み終わった公園のゴミ箱から女性の右腕が発見された。それを機に始まる連続女性拉殺害事件の顛末がついに語られる最終巻。 面白かった〜! みんなが周りの人間の身勝手さに振り回され(また自分も身勝手さで周りを振り回していて)、そんな中でどうにか足掻く物語だったなあ。 巻き込まれた被害者とその関係者全員が可哀想というかこんな奴らのために犠牲に…?と思わせれるんだけど、中でも由美子がお兄ちゃんは人を殺したと思ったまま死んじゃったのが本当に…うぅ…。
- 2025年7月9日模倣犯 (四)宮部みゆき読み終わった公園のゴミ箱から女性の右腕が発見された。それを機に始まる連続女性拉殺害事件を、再び被害者、加害者、関係者の視点から追っていく四巻。 犯人以外の登場人物ほぼ全員が浮き足だっていて、人間って余裕なくなるとそういう言動になるよね…と見につまされる内容だった。 そんな中で光る有馬さんの安定感よ。 次回が最終巻らしいけど、どう決着するのかすごく楽しみ。特に犯人がどういった結末を迎えるのかが気になる。
- 2025年7月7日模倣犯(三)宮部みゆき読み終わった公園のゴミ箱から女性の右腕が発見された。それを機に始まる連続女性拉殺害事件を、二巻と同じく加害者の視点から追う三巻。 浩美は家庭環境も相まってクソクソのクソ野郎だしやったことは許されないんだけど、ピースと出会わなければここまで捻れなかったのかなぁと思う三巻だった。 あと和明優しすぎないかなぁ!?自分だったら浩美のこと見捨てちゃうと思うので余計にそう思う。 残された由美子たちのことを思うとしんどいけど四巻が楽しみ。
- 2025年7月1日二木先生夏木志朋読み終わった担任で美術教室である二木の秘密を知った主人公の田井中が、逆に秘密を知られたことで二木を脅しながら交流(?)を深めていく話。 ドロドロした仄暗い話かと思っていたら読了感爽やかだし、「普通の人生」に対して抱いていた劣等感を抱き締められたような心地になる物語だった。 話がすごく面白いのはもちろんなんだけど、二木先生のキャラクターが良すぎる。話し方とか授業と私生活のギャップとかそのあたりでうっかり恋に落ちちゃいそうになるなぁ。
- 2025年6月27日模倣犯(二)宮部みゆき読み終わった公園のゴミ箱から女性の右腕が発見された。それを機に始まる連続女性拉殺害事件を、一巻とは違って加害者視点から追う二巻。 加害者視点、同情できるところが全くなく全編通して胸糞悪い感じが良かったし、思ったより行き当たりばったりなのに上手くいって調子に乗っちゃう感じも良かった。 三巻はまた警察や被害者側に視点が戻るのかな。楽しみだなあ。
- 2025年6月26日模倣犯(一)宮部みゆき読み終わった公園のゴミ箱から女性の右腕が発見された。それを機に始まる連続女性拉致殺害事件を、被害者、関係者、警察の視点から追っていく。 面白い! 有馬おじいちゃんの視点で展開する物語がとくに心に来て、うう…犯人…許せん…という気持ちになる。 割と落着したのにこの後まだ4巻分も残ってるのが不穏すぎる。でもこのあとどう展開していくのかが楽しみ。
- 2025年6月20日アクロイド殺しアガサ・クリスティ,羽田詩津子読み終わった名探偵ポアロシリーズのひとつ。アクロイドという村でも有数の富豪が殺された事件を、第一発見者であり医師でもあるシェパードとその隣に引っ越してきたポアロが解き明かす話。 容疑者全員がちょっとずつ嘘をついているんだけど、それを解き明かして真相に辿り着く25章が最高だった。 今でこそ信頼できない語り手ものはたくさんあるけど、これが出版された当時に大きな波紋を呼んだのは分かるなぁ。
- 2025年6月13日Another(下)綾辻行人読み終わった夜見山市に引っ越した中学3年生の主人公、榊原が、様子のおかしいクラスメイトたちに困惑しながら何が起こっているのかを探るホラー小説の下巻。 ホラーというか、良いボーイミーツガールだった。 登場人物の不可解な行動が繋がっていくのが面白かったけど、思ってたよりもクラスメイトが死ななかったな?という変な感想を抱いてしまった。
- 2025年6月11日Another(上)綾辻行人読み終わった夜見山市に引っ越した中学3年生の主人公、榊原が、様子のおかしいクラスメイトたちに困惑しながら何が起こっているのかを探るホラー小説。 「Anotherなら死んでた」の元ネタを知りたかったので読んでみた。 軽快にサクサク読めるので気分転換になって良い。 クラスで何があっても榊原くんは死にさえしなければ東京に戻れるし…と気楽な気持ちで読んでたら最後でゾゾっときた。下巻も楽しみ。
- 2025年6月9日バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下R・F・クァン,古沢嘉通読み終わった銀に異なる国の言語の二つの言葉を刻むことで魔法のような効果を得られる世界で、中国の広東で育ったロビンがバベルという大学の翻訳研究所に入学し、さまざまな困難や現実に直面する、という物語の下巻。 上巻の時点でハッピーエンドにはならないだろうなぁと思ってたけど、結末に胸がギュッとなった。輝かんばかりの学生時代の描写があるからこそ、ロビンたちの離別がすご〜〜くしんどい。 この本のことしばらく忘れられないだろうなぁ。番外編とか出ないかな。グリフィン世代の話とか絶対面白いよ。
- 2025年6月3日バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上R・F・クァン,古沢嘉通読み終わったイギリスが舞台。銀に異なる国の言語の二つの言葉を刻むことで魔法のような効果を得られる世界で、中国の広東で育ったロビンがバベルという大学の翻訳研究所に入学し、さまざまな困難に直面する、という物語。 一文一文が非常に濃密で読むのに時間がかかった。でもすごく面白い〜!差別と疎外感と自己嫌悪と自己陶酔の描写が最悪で最高だった。 世界の大きさに無力さを感じる場面で、「(世界は)おれたちが思っていたのと同じくらいの大きさだ。(中略)でも目の前にあるものを見るのを拒むのがとても上手になってしまったんだ」というセリフが良かったなあ。 上巻の最後でどえらいことになってたので下巻もはやく読みたい。
- 2025年5月27日火蛾古泉迦十読み終わった作家であるファリードが、アリーというイスラム神秘主義の修行者の身に起こったことを聞くという本。修行中に起きた殺人事件の真相をアリーの視点からもファリードの視点からも追う。 1ページ目で、哲学的で難しいかも…途中で読むのやめちゃうかも…と思ったのに、気がついたら引き込まれて読破してた。題名だけ知っててあらすじを何も知らなかったので急にミステリが始まってビックリしたけど、結末がまさしく宗教とミステリの融合!という感じで良かった。 語り部の真に迫った感じがなかなかない読み味で夢中になっちゃった。
- 2025年5月24日世界軍事学講座松井茂読み終わった現代の軍事戦略について、国ごと、戦略ごとに広く浅く教えてくれる本。 時々戦記ものを読むのでその助けになるかなぁと思って読んでみた。 助けになるかはなんともいえないけど、個人的には12章の特殊戦略や15章の指揮と統率あたりが興味深かった。 1996年に出版された本なので、ここからさらに技術が発展した現代ではどうなっているのかが気になる。
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