なぜ働いても豊かになれないのか マルクスと考える資本と労働の経済学

8件の記録
- 読書記録@records2025年7月26日読んでるまだ読んでる二章の途中まで読んだ。 「商品とはなにか」ということを考えるとき、そもそもなぜ値札を付ける必要があるのか?ということが問題になる 例えば社会全体が一つの共同体からなっている社会を想定してみた場合 ・社会全体で分業を行なって、それぞれの生産者が生産物を交換し合う ・人々は人格的紐帯を前提として(共同体の意志を前提として)生産するため、人々の労働ははじめから意味があるものとして共同体から認められている ↓ 共同体においては、生産物を交換するときに、値札をつけて値踏みする必要がない 資本主義社会においては、労働が私的におこなわれている ・私的労働は、それぞれの生産者が勝手に行う労働であるため、それが行われている時点では社会から必要なものと認められていない ・にもかかわらず、私的労働は社会的分業の一部を構成しなければならない(というジレンマがある) ↓ 労働生産物を商品として交換することによってこのジレンマを解決している ということらしい。資本主義社会では労働が私的に行われているけれども、人々が互いに無関係というわけではなく、他人の労働に依存して成り立っているから、こうなる(値札を付けて商品になる)らしい。
- 読書記録@records2025年7月19日読み始めた読んでる序章〜一章の途中まで読んだ。 労働というと私たちは賃労働を想像してしまうけど、まず賃労働という形態が特殊である、と書かれていてなるほどと思った。(そもそも貨幣がなかった時代もあるし、奴隷や農奴は賃労働していなかった。賃労働は、生活必需品の大部分が商品となることによってはじめて成立するようになった特殊な労働の仕方であるということ) そこから、労働一般の性格についてマルクスがどう考えていたかが書かれている。 大前提として、人間は自然の一部である。(人間もほかの有機体と同じように、たえず自然とやりとりすることによってしか生きられない) ↓ 人間は自然を摂取するだけでなく、自然に働きかけ、変形し利用する(衣服を作る、食料を栽培する、住居を作るなど) ↓ 人間に固有な自然との物質代謝の意識的媒介=労働 と考える、らしい。 自然との物質代謝の媒介はほかの生物にも見られるが(動物が自然を利用して巣を作るなど)、ほかの生物の場合はそれが本能的に行われるもので、人間の場合は意識的であるという点で区別できると説明されている。 そのへんはちょっと腑に落ちないなあと思いつつ、面白そうだからノートにメモとりながらじっくり読みたい本だなと思った。