あなたが気づかなかった花

12件の記録
- Pipi@Pipi08082025年3月23日@ 自宅人生の悲しみと喜びが入り交じっている感情を花言葉とともに紡ぐ二十四の連作短編集。仄かな希望が感じられるのが良い。大切に読み進めたい。🐥 三月 杏「乙女のはにかみ」 が好み。PHP研究所普及局のnoteに伊藤さんの執筆裏話があり興味深い。
- なな@nanamg_82025年3月15日読み終わった[お話の内容に触れています] 章が一月から十二月まで2年分あり、それぞれ花の名前と花言葉がタイトルになっています。 花好きにはたまらない。 一番初めの「一月 椿」の一行目から心を掴まれます。 「わたしの恋は枯れた椿のように落ちた」 これだけもうぐっと心を掴まれるのですが、それだけでなくこう続くのです。 「そんなふうに考えてから、あまりに自分の感性が演歌に染まっていて絶望する。 演歌に罪はないけど、わたしはこの感情をもっと軽やかに浄化したいのだ。透明なサイダーのように、淡く弾けてほんのり痛くて最後には泣き笑いになる、それくらい爽やかなものになるまで濾過したい」 一つひとつのお話は短くてすぐに読み終えてしまうけど、満足感がたっぷりなんです。 ここまで満足感のある短編集はなかなか出会えないかもと思うくらい。 みんなそれぞれ違った悩みがあり、それぞれ向き合い、前に進んでいく。 そこに共通して花が関わってくるのです。 その関わり方もまったく無理がなく、すっと胸に落ちる。しかもタイトル通り、そっと寄り添ってくれている。 繋がっていくところもいい。 今回読んでいて特に「十二月 カネノナルキ」が心に響きました。 ーーーーーーーーーーーーーー 高遠「なにをされても許すっていうことですか?」 吾妻「それはさすがに無理!ただ……幸運はどこから訪れるかわからない。でも、受け取るつもりがなければ絶対に受け取れない。だから、抱えきれないと思ったことは無理にどうこうしようとせず、いったん片隅に置いて、後から迎えに行くことがあってもいいのかなって」 ーーーーーーーーーーーーーー