創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで

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- こここ@continue_reading2025年7月25日読み終わった創造には狂気が付き纏うものだと、狂気があるからこそ芸術家たり得るのではないかと、漠然とそのようなイメージをやはり抱いていた。 古代から現代までそれがどう理解されようとしてきたのか、是非とも読んでみたい本だった。 一番胸を打たれる感じがしたのがヘルダーリンの話で、近代において統合失調症がはじめて登場したと。その詩は読んだことがないのでどんな詩なのか読んでみたい。 この本ではあまり頁が割かれていないが、中世のダイモーンを悪魔化していったあたりもとても興味ある。 ドゥルーズはフロイトやラカン的な論理に抵抗し、統合失調症だけが創造を生み出すのではないと、水平的なあり様営み、自閉症的な側面に依拠するようになった。 この辺はドゥルーズに関する本を読んだ方がより理解が深まるだろうと思う。 ラカンは、晩年に向かうにつれ芸術を論じることが増えたと聞きますが、もしもっと生きていたら、ドゥルーズの論じる自閉症的な文学や創造に傾くこともあったかなと創造した。 創造と狂気という切り口で、思想の流れが追えるとても面白い本だった。
- 四月@whitenights2025年7月4日読み終わった創造と狂気の関係、それらの哲学史にあける受容、病跡学における統合失調症の扱い、ドゥルーズが示した統合失調症至上主義とは別の道などについて、丁寧にわかりやすく考察されている。それだけでなく、いわゆる「近代的自我」の成り立ちやそこからなぜ弁証法につながるのか、なぜポストモダンの思想家たちはそれらを疑ったのか、ということについても再考されている。
- 敗荷@sibue_fjodor_2025年6月16日読み終わった献本御礼。自閉症的な表層における水平的な営みが、統合失調症的な〈父〉=〈神〉への垂直的飛躍とは別の仕方で、表象不可能性の深みへと潜る営みでもありうるかもしれない。