人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly?

人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly?
人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly?
森博嗣
講談社
2018年10月24日
10件の記録
  • @sotaono
    2026年7月19日
    p10 「地球上の現実は、複雑さに汚れている。」 p19 「「はい、不思議だと思います。人間は、人間の形をしたものに、特別な思い入れがあるように見受けられます。」」 p19 「「生きているだけでは不充分だ、ということです。」オーロラは言った。」 p29 「生きているという状態の不安定性が、人間の思考を司る仕組みに、深く刻まれているとしか思えない。」 p32 「「アネバネさんのチェスの方が凄いと思います。」」 p35 「「ウォーカロンは、自信もないのに、迷うことが少なくて、それから……、あまり笑いませんが、面白いとは思っています。面白さがわからないわけではありません。でも、何故か笑いたくないのです。」」 p36 「実体験というのは、数値実験のように、パラメータを変えて演算できない。一人が一度きりの時間を生きているのだ。」 p45 「こちらは、要約すると「よろしく」になる。だいたい、社会の会話の半分はこれだし、日本の書類の半分は、要約するとこれになる。」 p55 「「デボラを褒めるよりも、私を褒めていただきたいと思います。咄嗟の判断でした。」」 p64 「「つまり、子供が産めるように、またなるってことみたいだ。その医療措置をすればね。」」 p65 「「君は、あの王子の蘇生について、発表するんだね。」」 p67 「ウグイのスカートが短くなかったので、ほっとした。」 p77 「「知能というものが、そもそも武器かもしれない。」」 p80 「「お知らせしなければならないことがあります。政府がさきほど決定したのですが、明日のホワイトの発表を阻止することになりました。」」 p82 「「とにかく、あまりにも非人道的だ。」」 p88 「「根拠はなくても、あらゆることを疑うのが、私たちのやり方です。疑いがあるというだけで、他者を疎外することはありません。」「ペガサスかどうかは知らないけれど、あちらにはあちらの考えがある。そのデータをこちらは持っていない、という差がある。やむをえない判断なのかもしれない。」」 p93 「香りと熱さが、コーヒーの神髄である。」 p98 「「想像だけれど、生殖機能を疎外しない細胞で作られた臓器、血液、筋肉、その他諸々。それらを使えば、子供が産める躰のまま、永遠に生きられる。長寿と子孫繁栄が同時に手に入る、ということ。」」 p100 「「万葉集に隠された記号と予知。」」 p101 「「アカマか、久し振りだなあ。」」 p103 「「あ、そうだね、シキブ君。」」 p104 「そう考えると、明日起ころうとしていることは、人工知能どうしの対決にも見えてくる。アミラ、オーロラは、日本政府についている。ペガサスも当然だ。では、ホワイトのバックには、誰がいるのか?待てよ……。」 p105 「イシカワの研究所にいた人工知能・カンナは、宇宙へ旅立った。カンナは、イシカワが行った開発・研究のすべてを知っていたはずだ。そのカンナが、それらをすべて投げ出した。人間であれば、自殺に近い振舞いだった。自暴自棄といえるかもしれない。」 p107 「カンナは、証拠を掴むため、チップを入れ替えさせたのだ。イシカワは、競争に破れたのではなく、もしかして、勝っていた?それを、カンナが阻止した。それが、人類にとって危険な選択だと彼女は演算したのではないか。多くの犠牲を出し、自分の存在も消してしまうほどの、決断と実行だった。」 p112 「<新しい細胞を用いた治療の可能性について>」 p132 「「先生と一緒だったことは、一縷の希望です。」」 p135 「「ハギリ博士。」少年は僕の名を呼んだ。「私が誰か、わかりますか?」「君は……、もしかして、ペガサス?」」 p141 「「人間だけが、奇跡を信じる。」「奇跡は起こりません。歴史的にも起こっていません。」」 p142 「「やぶれかぶれ、ですか?」隣からウグイが言った。」 p153 「「うーん、アカマを遅刻させたのが、不味かったかな……。」」 p154 「「まったく、逆のことが起こってしまったのではないか、ということだよ。」」 p157 「「マガタ博士ほどの天才なら、もう願望はすべて処理されている。あとは、ただ見届けたいだけなんじゃないかって思う。すべての種を蒔いて、それが育つのを待っているだけなんだ。」」 p157 「「私もそうだけれど、自分の人生がどこへ向かうのか、何を求めているのか、といったものは、これといってないんだ。ただ、毎日を楽しく生きているだけ、しいて言うなら、この人間というものの未来を見届けたい、みたいな気持ちだけだね。そういう心境になってくる。」」 p158 「「マガタ博士はきっと、ずっと遊んでいるだけなんだよ。」」 p158 「「もともと天才は、遊び半分で、興味本位で、偉業を成し遂げるものだ。本人には、偉大な仕事をしようなんて気は最初からない。遊んでいるにすぎない。子供のときからの延長で、ただ興味の向くまま、好きなことをしているだけなんだ。」」 p162 「「大事なことは、人工知能が予想もしない作戦を実行することだと思う。」僕は静かに言った。「しかも、突然に。」」 p194 「「突飛なことって……。」」 p198 「「こんにちは。」僕は顔を覗かせた。アカマは、びっくりした顔のまま、固まってしまった。」 p202 「しかし、ウグイを見つめているアカマの目には、彼独特の粘性があった。そう、その目だな、と僕はとても懐かしかった。」 p202 「「逃避行?」」 p211 「「人工知能に、人間はとっくになめられているのかもしれない。」」 p214 「「お互いに歩み寄って、近くに来て、初めて見えてくるものがあるってことだね。」」 p219 「「人間というのは、基本的に戦うことで活路を見つけてきた。勝つこと、生き残ることで、自分たちを確かめてきたんだ。」」 p219 「「そう、本能だね。しかし、だからといって、諦めて受け入れてしまうのはまずい。理性や知性で、それらを修正していくことこそが、人間らしい能力なのだから。」」 p220 「「諦めてはいけないんですね。」ウグイは小さく頷いた。」 p221 「いつの間にか、彼女の頬が濡れていた。」 p221 「「違います。悲しいのではなくて、嬉しいから……。」ウグイは、言葉の途中で笑顔になった。「どうして、涙が流れたのか、わからない。」」 p221 「「はい、先生のお話が、その……、きちんとした考えだと思えて、そういうふうに、きちんと考えている人がいる、ということが、なんだか、とても嬉しく思えて……。」」 p222 「彼女のことが愛おしく感じられて、もう少し近くへ行って、頭を撫でるとか、抱き締めるとか、そんな発想も持った。」 p224 「不合理なのに、背筋が寒くなるような体感が、たしかにあった。ウグイの涙を見たときだ。僕はもの凄くびっくりした。これは、どう説明すれば良いのか。たとえば、デボラには、伝えることができないかもしれない、と思った。しかし同時に、オーロラはこれを知っているような気もした。人工知能であっても、人間の涙に近いものを知っているのではないか。知性とは、そういった新しいリンクを築くものだ。それが、本来の知力でもある。」 p224 「すぐにも、デボラ、そしてオーロラと話がしたくなった。議論がしたくなった。でも、ウグイとの議論は、何故かできない。あまりに近すぎる。この感覚が、今は不思議でしかない。言葉を探したが、一番近い理由は、恥ずかしいから?そう、恥ずかしい。どうして?何が、恥ずかしいのかわからない。自分を知られることが恥ずかしいのだろうか。誰が見ているわけでもないのに、何故そんな感情が湧き起こるのか?」 p227 「彼女は、急に僕に近づき、抱きついてきた。もの凄く強く、両手で拘束された。数秒間だった。なにも言わない。」 p237 「「違う、敵がなにをしようとしているのか、と言う疑問。」僕は問い直す。「先生を殺そうとしているのです。」彼女は即答した。」 p239 「いったい、僕にどれほどの価値があるというのか。」 p240 「自分で考えるしかないのか……。おそらく、人間では思いもしないような動機なのでは。」 p249 「狙いは、僕なのか?」 p255 「「でも、先生が一人で出ていくことは、私は許容できません。私は、どこまでもついていきます。」「ありがとう。君が近くにいてくれるだけで安心できる。」」 p259 「「考えてみたんだけれど、これは、人工知能どうしの争いだったのにちがいない。」」 p262 「「ヴォッシュ博士は、無事だろうか。」」 p263 「静けさというのは、不思議な言葉だ。それは、なにもないことを表すもので、闇と同じ現象を示しているのに、無ではない。」 p266 「「三人に感謝しています。」僕は言った。「私のために、面倒なことになって、大変申し訳ない。」「ハギリ先生のお言葉とも思えません。」ウグイがすぐに言った。「そうかな……。あまり、言わない?うーん、そんな意識はなかった。いつも、そう思っているのだけれど、こういうものって、言葉にしにくいからね。」」 p267 「オーロラが戸をさらに開けて、二人が部屋に入ってきた。もう一人は、長い黒髪の女性で、青い目で僕を一瞥した。オーロラは戸を閉める。僕は立ち上がっていた。僕の前に、マガタ・シキ博士が歩み寄り、そこで膝を折った。僕も再び腰を下ろした。彼女は、床に手をついてお辞儀をした。僕もお辞儀をして、挨拶をする。」 p268 「「オーロラに会うために、こちらへ参りました。」そこで顔を上げて、マガタ博士は続ける。「先生がお近くにいらっしゃると聞きましたので、ご挨拶をしようと。」「ありがとうございます。恐縮しています。」僕はまたお辞儀をした。「ご無事で良かった。」マガタは言った。表情は変わらない。「迸りでしたね。ときどき、自然界にはこういうことが起こります。焚き火をしていて、火花が飛びますでしょう。あれは、シミュレーションが難しい。よくご存じのことと思いますけれど。」「私が狙われたことが、迸りだというのでくか?」僕は尋ねた。「オーロラが、収拾に当たっています。まもなく、正常化することと思います。」」 p268 「「ハギリ博士が、どれくらいちゃらんぽらんで、思いつきで行動されているか、というデータを揃えて、説得をいたしました。」オーロラが、おっとりとした口調で言った。」 p269 「マガタは白いドレスで、オーロラは黒いドレスだった。」 p272 「わかってはいるけれど、ぶつけたい感情があったのだろう。」 p273 「マガタはオーロラを見ることもなく、黙って食事をしていた。ときどき、僕をちらりと見る。」 p273 「「マガタ博士は、こう言った事態を予測されていたのですか?」「いいえ。」彼女は首をふった。「なにも。」その後の言葉を待ったが、マガタは語らない。料理を見つめて、面白そうに箸を進める。」 p273 「「人工知能は、人間社会にとって、どんな存在になるのですか?博士の共通思考とは、どのような未来を想定しているのですか?」汁物の椀を持って、それを口につけていたマガタは、視線だけを上げて、僕を見た。それからゆっくりと椀を膳に戻し、箸を置いた。」 p274 「「さて、何をおききになっているものか……。」彼女はそこで微笑む。「不思議なこと。私に、未来が見通せるとでも、お考えでしょうか?」」 p274 「「でも、今のこの文明は、マガタ博士に導かれたものと、少なくとも私は理解しています。」「面白い。」彼女は口許をさらに緩めた。「人類と人工知能の未来が、私は心配です。」僕は言う。「私は、料理が冷めないか……。」マガタは、まだ微笑んでいる。「そちらの方が心配ですわ。」」 p275 「マガタは、また椀を置き、箸も置いたあと、片手で口を押さえて、笑いだした。彼女一人が笑った。みんな黙っていた。一分ほどして、また静かになって、マガタは膝に手を置き、僕を真っ直ぐに見た。「楽しい。」マガタは言う。「ここへ来た甲斐がございました。」」 p276 「「先生はせっかちでいらっしゃる。」マガタは言った。「簡単ではありませんか。一流の料理人なのですから、なにも考えたりしません。ただ、ぼんやりと、月夜の空でも眺めましょうか。」」 p277 「「あの、失礼を覚悟でおききしますが、博士は、人間でしょうか?」僕は尋ねた。「はい。」彼女は即答した。「それは、失礼な質問ではありません。誰に対しても、また、自分に対しても、いつでもそれを問うことが、人間というもの。」」 p281 「「アカマさんが、そのホテルに行ったのは、デボラが仕組んだことのようです。」」 p284 「「私が、演算できなかったのは、先生たちが、よく脱走の決心をされたな、という点です。」オーロラが僕に言った。」 p288 「「あ、そう……、マーガリィさん?」「はい。」ウグイが返事をした。「頼んだよ。」」 p290 「僕の手に、彼女の手が触れた。僕は、それを握った。」 p290 「マガタ博士に導かれたかな、と僕は思った。」 p298 「「そうそう。ついさっきも、そういう方が見えましたよ。夜に好きな人のことを考えてしまって寝られないって。」女医はそこで片目を瞑り、にやりと笑うのだ。「貴方のも、そうじゃないの?」」
  • muzie
    muzie
    @muzie
    2026年6月28日
  • K.K.
    @honnranu
    2026年5月27日
    アーシュラKルグィン『闇の左手』小野芙佐訳が引用されている
  • 水源
    水源
    @fountainhead
    2026年3月16日
  • noirlog
    noirlog
    @noirlog
    2026年1月16日
    恋愛とかスリルの楽しみがありほかのWシリーズよりもだいぶわかりやすかった え、急では無いんだろうけど、え? そ、そうなんだ… 二人って、ふうん… みたいな感想になった なにか一区切りあるのかと思ってたけど全然そんなことなかった まだまだ楽しみが残っています
  • noirlog
    noirlog
    @noirlog
    2026年1月15日
  • 𓇌𓅱𓇌
    𓇌𓅱𓇌
    @dccxxiv___
    2025年12月20日
    p.10 自然界には、さまざまな不思議が存在する。それは、人間だけが感じるものだ。人間が作った理屈というルールに適合しないものを、不思議という。人間のルールとは、等速度運動のように希望的かつ単純だ。それは、なにものにも支配されない空間でしか実現しない。地球上の現実は、複雑さに汚れている。 熱心に探究していくうちに、これまでの理論で説明がついたり、そうでなくても新たな理屈が作られたりして、最終的には理論が成立する。ようするに、整然となる。そこでようやく、人間は少しだけ納得し、ほっと安堵する。僅かな単純性を見出し、複雑性からの一時的な解放感を抱くのだ。だが、このような気持ちになることこそが、非常に不思議であり、なによりも不自然だ。
  • @who_you
    2025年8月8日
  • 緑の杜
    緑の杜
    @araki_0527
    2025年5月10日
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