森の生活 上

7件の記録
- monami@kiroku_library2025年5月21日読み終わった大学生の時学友に借りた映画、『いまを生きる』をみた時から読もうと決めていた本。 数ページを残して積読していたが、ようやく上巻は読み終える。
- gn8tea@gn8tea2024年10月30日買った読み終わったとても好き。脱資本主義な生き方を考えるうえで参考になると思った。 「あるひとが私に言う。「君は貯金もしていないのかい。旅行が好きなんだろう。今日にも列車に乗ってフィッチバーグへ出かけ、あの辺を見物してきたらいいのに」。だが私はもっと賢いのだ。いちばん速いのは徒歩の旅行者だということを、ちゃんと知っているのだから。私は友人に言う。ひとつ、君とぼくとどちらが先に着くか考えてみようじゃないか。距離は三十マイル、汽車賃は九十セント。これはほとんど一日分の給料だよね。(中略)さて、ぼくはいま徒歩で出発し、夜になる前に目的地に着く。以前に、その速さで一週間ぶっつづけに旅をしたことがあるんだ。君はそのあいだ汽車賃をかせぎ、明日か、ひょっとすると今夜あたりそこへ着く。うまいぐあいに仕事が見つかればの話だけれど。つまり、フィッチバーグへ行くかわりに、君はほとんど一日じゅうここで働いていることになるわけさ。だから、たとえ鉄道が世界を一周していても、やっぱりぼくのほうが君よりも先へ先へと進むことになると思うよ。おまけに、その地方を見物するというような経験を積む段になると、とても君なんかとはつきあっているわけにはいかないね。」 「わが国の工場制度は、人間が衣類を得るのに最上の方法だとは思えない。職工たちの労働条件は、日一日とイギリスの状態に近づいている。これは別におどろくにはあたらない。私が見聞したかぎりでは、工場制度の主たる目的は、人間が正直に働いた金でちゃんと服を着られるようにすることではなく、明らかに会社を肥らせることにあるからだ。」 「人間が自分の家を建てる場合は、鳥が巣をつくる場合とおなじように、ちゃんと目的にかなっていなくてはならないのだ。人間が自分の手でみずからの住まいを建て、単純で正直な労働によって自分と家族を養っていくようになれば、どの鳥もそうした暮らしのなかでさえずっているのだから、ひょっとすると詩的な才能が万人のうちに芽生えてくるのではあるまいか?ところが悲しいことに、われわれのやり方は、ほかの鳥がつくった巣のなかに卵を産み落とし、騒々しく耳ざわりな声で鳴いて、旅ゆく者にはなんの慰めも与えてくれないムクドリモドキやカッコウに似ている!われわれは、家を建てる楽しみを、いつまでも大工にゆずり渡したままでよいものだろうか?ひとは一般に、どの程度の建築経験をもっているのだろうか?私は散歩の途中で、自分の家を建てるという、このごく単純で自然な仕事にたずさわっている人間には、まだ一度も出くわしたことがない。われわれは共同体に属している。九人集まって一人前、ということわざは、なにも仕立て屋だけにあてはまるわけではなく、説教師にも商人にも農民にもあてはまる。この分業というやつは、いったいどこまでいけば終わるのだろうか?それは結局、なんの役に立つことになるのか?もちろん、ほかのひとも私のかわりにものを考えてくれるかもしれないが、だからといって、私が自分でものを考えるのをやめたほうがいいということにはならないだろう。」