文庫 銃・病原菌・鉄 下
43件の記録
gato@wonderword2026年9月3日読み終わった銃・病原菌・鉄のなかで最も恐ろしい武器は病原菌だとしみじみ身に染みた。 しかも、現代でも〈文明人〉たちは未知の病原菌を〈未開〉の土地と結びつけて恐れているが、歴史的には文明人側が持ち込んで現地民を殺した規模のほうがよほど大きい。宗教の旗の下に小隊で乗り込んだ者たちが、何十倍もの現地の軍勢が自分たちには無害な病気に倒れて速やかに死んでいくのを目撃したのだから、強い〈神の加護〉を感じたことだろう。

gato@wonderword2026年9月2日読んでるダイヤモンド自身がフィールドワークをしていたニューギニアとオーストラリアを例に、技術や文化が上手く伝播・発展していかなかった土地の地理的条件を紐解いていく「オーストラリアとニューギニアのミステリー」の章は、これまで以上に具体的で熱がこもっていてめちゃくちゃ面白かった。 他の大陸と比べ物にならないオーストラリアの〈試される大地〉っぷり、そしてそこで生き続けてきたアボリジニが環境に一番適応した生き方をしてこなかったわけがないということ。 ダイヤモンドがこの「(西洋から見て)逆転の世界史」で明らかにしようとしているのは、ユーラシア民族の根っこにある狩猟採集民へのナメだ。日本人にとってのアイヌのことを考えるためにも、私はやはりこの本を読まなくてはいけなかった。

gato@wonderword2026年9月1日引用宗教と権威の結びつきは、エリート階級による富の取得を正当化した。それ以外に、この結びつきは、つぎの二点において首長社会の利益となった。第一に、社会全体でひとつの宗教を共有することによって、赤の他人同士が、互いに殺し合うことなくいっしょに暮らすための下地ができた——赤の他人同士が、血縁にもとづかない共通の絆を、宗教というかたちで持つことができるようになった。そして第二に、この結びつきが、遺伝子的な利己心とは異なる、他の人びとのために自己を犠牲にする行為の実践を民衆に動機づけ、戦場で命を落とす兵士の犠牲のもとに、武力による征服や抗戦を社会全体として効果的におこなえるようにしていったのである。 (126p)
イツキ@maruitsuki2026年3月30日読み終わった読書の合間に少しずつ読み進めていた本書を読了。第三部で著者が技術について、「必要は発明の母」よりも、「発明が必要の母」であることが多いと述べている点が面白かった。

北本新聞縦覧所@kitamoto_juran2025年10月13日読み終わった効率的な食料生産ができる原産種が存在したのか 大陸の広さ、さらには東西方向に広いのか南北方向に広いのか、といった地理的要因。 家畜化できるような大型哺乳類が存在したのか 大きくはこの3つの要因にて人類史の勝者と敗者が分かれたと読み取った。 途中、「日本人が効率的なアルファベットやカナ文字ではなく漢字を使うのは、社会的なステータスが高いからだ」とのトンデモ説が紛れ込んでいて、全体的な信頼度が下がってしまった。 日本のことだから気づけたのであって、ニューギニアのことやアフリカのことで中途半端なことを書かれていても気づけないので。

ぼす@backtoboss-s2025年8月30日読み終わった翻訳のせいかもしれないが、なかなか頭に入って来なかった。なぜ国家は滅びるのか、とはまた違った視点で、現在の現状を歴史から解釈しており、そういった見方もあるのかと関心した。



喬林@unnatural_672025年4月20日読み終わった上巻の終わりの方の話がやっと(自分的に)面白くなってきてヨッシャ!!と思ってたら下巻はまた違う方向に行ってしまった。返却期限までに読みきれないと思い延長しようとしたら、次に予約を入れてる人がいて延長できず、後半はほとんど流し読みでなんとか完走。要するに、世界の支配/被支配の関係が逆では発生し得なかったのは、人種の優劣が理由ではなく地理的な要因がめちゃくちゃ大きかったからだ、ということはわかった。今はそれでよしとしよう。

ぽぽ@wakio2025年1月11日読み終わった「なぜ、ある文明は他の文明よりも早く発展したのか?」 そんな壮大な問いに、科学的な視点から真正面から挑んだのが『銃・病原菌・鉄』だ。私は『サピエンス全史』を読んで人類の歴史の奥深さに魅了され、似たテーマの名著として妻に勧められたこの本に自然と手が伸びた。期待通り、いや、期待以上に知的好奇心を刺激される内容だった。 特に心を掴まれたのは、文明の進歩に人種の優劣など関係なく、地形や気候といった「環境」が圧倒的な影響力を持っているという点だ。大陸の形や動植物の分布、農耕の始まり方…。それらが積み重なって文明の差を生み出したという論理は、あまりにも明快で、思わず「なるほど!」と膝を打った。環境が運命を左右するなんて、まるで人類の壮大なゲームのルールを知らされたようだった。 この本を読んで、人種による優劣ではなく、環境要因こそが文明の発展を左右したのだと深く認識できた。この視点は、自分の中に無意識にあった偏見を溶かしていくような感覚があった。知識が偏見を打ち砕く──まさにそんな体験だった。 しかし、すべてが満点だったわけではない。内容には十分満足したものの、似たような話が繰り返されている印象があった。読んでいて「またこの話か…」と感じる場面が少なくなかったのも事実だ。だからこそ、他人に胸を張って「読んでみて!」とは言いにくい。私自身、読み進めるのに少し忍耐力を要した。 また、読み進める中で「日本の文明の歴史にももっと触れてほしい」と強く思った。日本という独自の地理や気候、歴史を持つ国が、この壮大な文明論の中でどのように位置づけられるのか。そこが掘り下げられていたら、もっと深く共感できたはずだ。 『銃・病原菌・鉄』は、人類の歴史を環境というフィルターを通して解き明かす、知的で刺激的な一冊だ。だが、その厚みと重みゆえに、読者を選ぶ本でもある。じっくりと考えながら、知識の森をさまようことに楽しさを感じる人には、間違いなく響くだろう。私にとっては、知識の喜びと、読むことの苦労が交錯する、そんな一冊だった。























