愚か者の石

9件の記録
昼寝ねこ@hiruneko2026年3月12日かつて読んだ明治十八年、国事犯として北海道の樺戸集治監に送られた瀬戸内巽は、そこで暗い過去があっても飄々と生きる大二郎と相棒になる。そしてそこには職務に厳格に生きる看守の中田もいた。この3人がキーとなって物語が進む。第一章は樺戸集治監、第二章は釧路集治監での辛い囚人生活が綴られるが、途中で大二郎が脱獄してしまう。第三章は出所した巽が中田と共に大二郎の行方を追う展開となる。終始陰鬱で決して楽しい物語ではないが初めて知る北海道の集治監での過酷な生活が興味深く一気に読み切った。河﨑秋子さんらしい重厚感のある物語だった。 読み終えてから北海道史について調べた。作品はフィクションだが舞台設定は概ね事実に即している。樺戸集治監、釧路集治監(後に網走に移監)は博物館として保存されていてゴールデンカムイの聖地ともなっているようなので機会があれば訪ねてみたいと思っている。

- Biko@biko_2505122026年2月20日読み終わった河崎秋子はやはりいい。最後まで沁みる。明治18年.厳冬の北海道の監獄。冤罪で捕まった青年とほら吹きの男、冷徹な看守の3人の物語。自分には縁遠い罪人たちの過酷な日々が描かれるのに、いつのまにか自分の人生や人間の業のようなものに思いを馳せてしまう。明治という時代や特殊な舞台設定、何より主人公たちが実に魅力的で自然と惹かれてしまう。










