シシになる。

20件の記録
- つたゐ@tutai_k2025年7月20日読み終わっためちゃめちゃ面白かった!東京の広告代理店で働いていた語り手が遠野に移住し、伝統芸能である「しし踊り」に参加し、地域の人々や、しし、異界と融合して「シシになる」記録。 しし踊りの学術的な分析とか記録ではなくて、「シシの内側」で起こる官能がつぶさに書かれることで、人との繋がりの厚さ/熱さや、芸能を作る高揚感が読み手にも伝わってくるところがすごく素敵だった。『異界と共に生きる』(生活綴方)では異界は異界として外部から眼差していた著者が、シシ踊りをとおして「異界」と己の位置を変容させていったところがとてもよかった。
- つたゐ@tutai_k2025年7月10日買った@ 本屋・散策舎散策舎さんで買った! この著者の「異界と共に生きる」っていう生活綴方から出てる本読んだことあって、それは遠野という地域や「地方(田舎)」を「異界/異質な場所」として都市部とは隔絶してる書き方してたんだけど、この本ではどう書かれるのかなって気になってる。
- あずき(小豆書房)@azukishobo2025年7月8日読み終わった紹介そこでは、人も動物も幽霊も区別しない。 岩手県遠野市。かつて一人のよそ者としてこの地を訪れ、見えないものたちの世界を『遠野物語』として世に出した柳田國男が"戦慄"したというシシ踊り。 この本の著者は、遠野のことも、遠野物語のことも全く知らなかった一人のよそ者で、地元をよく知る人たちに地域を案内してもらう様は、かつての柳田と同じ構図だ。そして、シシ踊りと邂逅する。 シシ踊りとは、シシとは、一体何なのだろう。移り住んで10年。シシ踊りと遠野物語に向き合い、没入し、書ききったであろう一冊。 人間が主観的に動物になる。しかも色々な動物のパーツをハイブリッドに混ぜたキメラのようになる。鹿は神の使いであり、田畑の害獣でもある。 共存する。 身体を通してシシを踊り、内なる野生が万物と共振する。 「誰もがシシになれる」 祭りや芸能は、言葉や文字ではない形で他者と繋がるメディアのような役目をもつのだと思う。 祭りのある地域の方や、他の土地から移り住んで地域の祭りに参加するようになった、という経験のある人なんかも、きっと胸が熱くなる一冊だと思います。
- 糸太@itota-tboyt52025年6月29日読み終わった新しいことへの警戒心が人一倍強い私は、郷土芸能に自分なりの解釈をするすると加えていく著者の姿に、違和感を覚えつつ読み進めていた。しかし板澤しし踊りが登場したあたりから、突然、私の考え方がぐるっと変わったのを感じた。思えば、著者である富川さんに「戦慄せしめ」られたのだろう。ドキュメンタリー短編『Birth by Sleep』も観る。なるほどなあ。深く頷いてしまった。