サマーバケーションEP (角川文庫)

サマーバケーションEP (角川文庫)
サマーバケーションEP (角川文庫)
古川日出男
KADOKAWA
2010年6月23日
10件の記録
  • 糖
    糖
    @inwatermelon_
    2026年9月21日
    図書館でタイトル&ジャケ借り(Readsのサムネイル画像のものではなくて、添付のハードカバー版)。 今年の夏の締め括りとして読み始め、読み終わったいまは既に秋の気配を感じている。 主人公は、生まれつき人の「顔」が認識できない青年。 ある夏、青年は、井の頭公園から始まる神田川に沿って、海をめざして歩く冒険の旅に出る。道中、さまざまな人々と出会い、別れを重ねながら、ゴールへと、夏の終わりへと向かっていく。 主人公の生い立ちは詳しく語られない。それでも、人とのコミュニケーションを得意とせず、集団活動を忌避するような描写や、"ホーム"とルビが振られる「家」という言葉など、折に触れ、持って生まれた特性による彼の苦悩の生活が垣間見える。 人の「顔」が分からない一方で、彼は「音」に非常に鋭敏だ。 自然、人、機械、あらゆるものが発する音を丁寧に聴き分け、時に手に取るように慈しんだり、自分の埒外にそっと放したりと、二度とない特別な夏を、初めて再生するEP――それは、フルアルバムと比べてずっと短い――と向き合うようにじっくりと経験していく。 彼の五感を通して描かれる世界、その文体がとても特徴的で愉快だった。 目の前のものを素直に受け入れ、加工することなく改めて並べ直していくような、無添加の文章。でこぼこしていて、時々けっつまずきそうになるけれど、それが独特のグルーヴを生んでいるような。もちろんそれこそが作者の狙いであり、なんとも絶妙な語り口だなあと感心しながら読む。 実は、主人公が世界を語るさまに大きな魅力を感じながら読み始めたからこそ、中盤に登場人物が増えて物語の重心が分散し始めると、少し寂しさ、退屈さを感じてしまった。 彼中心だった世界は、しだいに多数の人間のものへと拡散していく。集団の中のひとりとして振る舞う彼は、口にこそしないけれど、どことなく居心地が悪そうにみえた。 いや、それはむしろ、彼のパーソナリティと重なるところのある、わたし自身の居心地悪さだったのかもしれない。 世界を見つめ、聴くだけで結構精一杯だ。ひとりの人と向き合うなんてもう本当に命懸けで、二人、三人、四人⋯大勢の人間の中でやっていくなんてもうどうしたらいいんだ?と思う。 「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」は川上未映子の随筆集のタイトルで、常にこのフレーズが脳内をただよう。 それでも、長く短い旅の果てには、感じ入るものがあった。一人旅では決して到達できなかった景色。人はひとりでは生きていけないよなあ。わかっているよ。わかっているけれど、しんどいよなあ。そんなことを思いながら、わたしは今日もすがるようにプレイリストを再生する。
    サマーバケーションEP (角川文庫)
  • ふみ
    ふみ
    @nsmoon
    2026年8月19日
    いい話だったー 偶然に出会った人たちと、別れがあって、でも別れるころにはしっかり仲間になってて、人生って川かも……(海でもある……) この冒険が終わってからも、僕とウナちゃんとカネコさん、友だちでいてほしい。 夏休みのお昼寝から目が覚めたときの気持ち。ちょっとの疲労感と、でも夏休みの時間って無限だもんなって無敵感。いい冒険だった。
  • ふみ
    ふみ
    @nsmoon
    2026年8月11日
  • ok0kesaM12
    ok0kesaM12
    @okk_sam12
    2026年4月2日
  • deepend
    deepend
    @deepend
    2025年9月20日
  • あるる
    あるる
    @aru_booklog
    2025年9月17日
  • 麦茶
    麦茶
    @mugicha
    2025年7月18日
    井の頭公園で出会った「僕たち」は、神田川沿いを歩いて歩いて、海へ。 独特の文体ながら読みにくいとは思わず、あっという間に読めた。 おそらく全然知名度のない、地元の小さな町の景色が小説の中で再現されていることに驚いたし、嬉しい読書体験だった。この作品がある限り、いつでも私が子供だったころの地元に帰ることができる。一生手放したくない一冊になった。
  • 麦茶
    麦茶
    @mugicha
    2025年7月11日
  • 茶谷
    茶谷
    @tu_sp_763
    2025年7月7日
  • さか
    @saka__
    1900年1月1日
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