発売されたときから気になっていたんだが躊躇していた。日本図書新聞の評を見てお風呂の中の読書枠で読み始める。 溺愛する末娘の結婚式を間近に控えた父の話。 末娘が処女のまま花嫁になることを誇りにしていてなおかつ処女じゃなくなるのを考えたくない父親。 しかし、産婦人科医からの電話が気になる。

大量買い4/16 一目惚れしました。

60年代、ブラジルと惹句にあって、このそっけないタイトル、国書刊行会、たぶんおもしろいでしょと前情報を入れないまま買った。

結局のところ、数少ない身体の動きの描写が最も輝いていた。

「ということはつまり・・・・」 メルセデスが無事であることを考える。そして、残酷な歓びに全身が満たされていることを恥ずかしく思う。片腕で医師を抱きよせて、感謝と歓びを伝える。相手は一「処置はすんでます、処置はすんでます」 サビーノはなおも、重々しく、ほとんど陰気な調子でコメントしたー「かわいそうに、かわいそうに！」 新郎が病室から出てきた。間抜けのように恥じ入っていた。サビーノは廊下の一番端まで行って、彼の背中を叩いてやらなければならなかったー 「そんなふうになるなよ。きみが悪いわけじゃない！」 首を垂らしてー 「僕は野獣だ、馬だ」 p257

「サビーノ、きみにひとつ本当のことを言おう、きっとふざけてると思うだろうが。わたしがいつ、いちばん神に近いと、いちばん神がわたしの近くにいると感じるか、知ってるか？それは自分が膀胱を、あるいは大腸を空っぽにしているときなんだ」p81

ネルソン・ロドリゲス。ブラジル文学がはじめて。まだ楽しくない。