宝石商リチャード氏の謎鑑定 祝福のペリドット

5件の記録
- タナカ@tnk2025年6月4日読み終わっただいすき@ 自宅就活に奮闘する正義を見て、そういや彼はなかなかの偏差値の大学に通っているし、就活に備えて奮闘する勤勉さもあり、それでいて心根まであんなにまっすぐで快い人間なのかと思ったら、もっとあんた自身もちなさいよー!!!!という気持ちがした。リチャードだってそう思ってるよ。だって実際そのような意味の言葉が凄まじい語彙力で文中にあったもの。 「ジルコンの尊厳」 無鉄砲だった頃のリチャードのお話、待ってました。彼のお師匠の口から正義に伝えられてるのニマニマしちゃうね。お料理スキルの解像度も高まりました。モニカのティアラのエピソードも、また何層にも愛情深くて素敵だった。他のものだって読みやすく丁寧だなと感じるけれど、人物描写の温かさがとりわけ僕は好きだな…。ロイヤルミルクティーもここなのか〜。繰り返し噛み締めたいエピソードでした。 表題作「祝福のペリドット」 これもまたリチャードの過去にまつわる縁のお話。正義が仲人になってくれるわけだけれども、それぞれの主張を守りながら縁を繋いでく、言ってみればまどろっこしいやりとりがなんだか愛おしくて好きだった。リチャードは本当に大変な境遇でもあるけど、愛情にも恵まれていて、ハグするときのリチャードの様子の描写が今までにない印象で書かれていたのがじーんとした。正義の抹茶フラペチーノに例える文にはクスッときちゃったけど。あと穂村さん!よかったねえ…。一巻の時は全然好かんなこの男……ってすごく思ってたのに。可愛いとこあるじゃんね! 「聖夜のアンダリュサイト」 短いけどこの話もすごく好き!谷本さんと正義のすれ違いぶりが健在で、本当につい声に出して笑ってしまった。 忙しい方が有難いと話す正義の、特別な日がしんどいって気持ち。誕生日にどういう気持ちになればいいのかいつも困るタイプの人間なのでちょっと別物かもだけれど、共感してしまった。それから正義が「人付き合いというのは、とことん面倒くさい」と言っていて、それが一瞬意外に響いたんだけれど、でもその面倒くさいことが君は必ずしもいやではないんだよねって勝手に思ったりした。 ジルコンの時にもお師匠が正義を評価していたところだけど、本当に飽きずにリチャードを褒める彼が健在で嬉しい。最初のうちはそう言うシーンでニヤっとしてたけれど、ここまでくると尊くて微笑ましい気持ちになってしまうな…。 6巻では就活の決着つくのかなー!? 次も早く読みたい!楽しみ!
- タナカ@tnk2025年6月3日読み始めた@ 自宅カバーかけてもらったから気づいてなかったけど表紙のリチャードゆるゆるすぎない…!? 6/3 4:59追記 case.2「サードニクスの横顔」まで読んだ。4巻のあの勢いから面白さが落ち着いてくるのかなって思ったら全然そんなことない。物語の焦点はお客さんに戻ってはいるけど、ちゃんと4巻で起きたことが2人の距離感に反映されていて、そして引き続き中田正義は読み手が猛烈にツッコミを入れたくなるくらいの鈍ちんを時折発揮してくれるのでたまらないね。今回のお客さん・乙村さんが持ってきた謎も、これまでのお話の中で1,2位くらいに好きかもしれない。乙村さんの正義とリチャードの距離感に対するコメントも、読者の代弁をしてくれるようなもので風呂敷の畳み方というのか、お話の着地まで本当に丁寧で何度でも脱帽してしまうな…。読書が本当に楽しい!