骨を引き上げろ

5件の記録
- 阿久津隆@akttkc2025年6月12日ふと思い出した@ ミシシッピ州沖縄のピットブルのニュースを見てふと思い出した。アメリカ南部の闘犬とハリケーンの話。この小説は度肝を抜かれたびっくりしたとんでもなかった物凄かったな〜!!2022年とかの1位な小説だったな〜と思ってツイッター見たら2022年の本ベスト約10冊を記しててこうでした。 滝口悠生『水平線』 ジェスミン・ウォード『骨を引き上げろ』 吉田健一『本当のような話』 マリオ・バルガス=リョサ『ケルト人の夢』 P・F・ドラッカー『マネジメント』 國分功一郎、千葉雅也『言語が消滅する前に』 蓮實重彦『ショットとは何か』 リカルド・ピグリア『燃やされた現ナマ』 植本一子、滝口悠生『往復書簡 ひとりになること 花をおくるよ』 井戸川射子『ここはとても速い川』 照屋華子『ロジカル・ライティング』 阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』 アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
- DN/HP@DN_HP2025年6月12日かつて読んだまた読みたいOutcastDa Art of Storytellin' (Pt. 1)エピグラフには旧約聖書、スペインの詩人、そしてラップ・ミュージックのリリックからの引用。「何になりたい? おれが訊くと、彼女は言った。『生きていたい』」。 ピットブルが母親になるシーンから始まる、ミシシッピのバイユーでハリケーン・カトリーナとそこでのLIFEに対峙する12日間の家族と土地の物語。 母になったピットブルはクウィーンだ、戸惑い恐れながら母になろうとする少女も、ボストン・テランから引いてくれば「もうすぐクウィーンになる。それだけ長く生きられれば。」ここで2枚のクウィーン、3枚目はカトリーナ。元々過酷な環境に彼女が起こす状況のなかで家族で唯一の女性である少女が母に、そしてクウィーンになる話。あるいは“生きる”物語。 それにもうひとつ、犬と少年の愛の物語。「チャイナはやがて真珠になる砂のように白く、スキータは牡蠣のように黒い。けれども両者はふたりでひとつ。スキータのような形で犬を愛するということがどういうことか、ほかの男たちにはけっしてわからない。」ここでまたボストン・テランを思い出す。ギヴは全ての人、国にも愛を与えるけれどチャイナはそれをスキータだけに向ける。ギヴは何度も希望とともに帰ってくるけれど、チャイナは…それでもそれは物語られる意味のある愛であり、この物語にもやはり、書かれるべきと思える希望がある。「チャイナは戻る。それが“いつ”かの問題だ」ここでもLIFEは解決しないけれど、故にまだ終わらない愛と希望も書かれた物語。もっとたくさんの読める物語がある小説だとも思うけれど、今回はそんなふうに読んだ。とても素晴らしかった。ここにあると思えた希望もまた、大切にしたいと思った。 エピグラフに引用されているリリックはOutcastのDa Art of Storytellin' (Pt. 1) のAndré 3000のバース。続くPt. 2のリリックもしっかりと読んでいけば作者の言う「ヒップホップは私たち世代のブルーズだ。私が書く登場人物たちにとってヒップホップはとても重要だ。彼ら彼女らはラップの言葉によって世界を理解する」という言葉も少しだけ分かるのでは、という気がする。“Who said good folks is not supposed to die?”とそこでもまた、世界は過酷なのだけど。 そんなことも考えていたので、この本を持ち歩いている間にその曲が収録されているアルバムのCDをレコード屋や古本屋で探していたのだけれど、見つけられなかった。そこでそういえばと思い少し前にリリースされたAndré 3000のソロアルバム、New Blue Sunを聴いてみた。ラップ・ミュージックではないけれど、とても素晴らしかった。今の気持ちにも読書にも合っている気がした。言い過ぎると少し救われた気もしてしまった。風がふいた。ということで、最後の1/3はそのアルバムを流しながら読んだ。その体験もとても良かったし、特別だった。