美しき監獄の方程式
18件の記録
三井@0047ab_reads2026年9月3日読み終わった最高。最近読んだ本の中で一番最高で好みの本だった。 大正時代の奈良監獄、それだけで好みの舞台だけど…… あまりに好きなのでネタバレばかりして感想書く。 作品の雰囲気もさることながら、メインのキャラたちが好みだった。主人公は世界を数字で見ているインテリ、コミュニケーション苦手、眼鏡で細身の元数学教師の弓削。副主人公が上背があって素直で愛嬌があるカメラアイ持ちの羽嶋。 正反対のふたりだけど、冤罪で奈良監獄に収容されたというところが共通していた。 受刑者同士、自由な会話が許された環境にない中でふたりが惹かれていって、唯一無二の存在になる過程が丁寧に描かれていて好きだった。 弓削が獄中でも“先生”って呼ばれてて(揶揄われもあるけど)、わたし多分医師や教師の文脈にない“先生”呼びに結構弱い人だって自覚した。 脱獄計画を立てるまでの心情の変化も獄中の人との関わりによって得られてきた変化で、それも丁寧に描かれていてよかった。 弓削ははじめ、羽嶋を娑婆に出してやりたいと思った。でも、羽嶋は弓削とふたりで脱出したいとまっすぐ訴えた。弓削が弓削らしい、弓削にしかできない方法で羽嶋と共に脱出を選んだこと、ふたりがこの獄中で、互いが互いを照らすような関係になれたこと、良すぎて何度天を仰いだか。 本当に弓削は頑張ってたな。 は〜大正時代の空気感を堪能して、脱獄計画にどきどきして、弓削と羽嶋の幸せを願ったよ、読み終えた今でも願ってるよ。 全てを失ったふたりが、ふたりで居続けられることが今の幸せなんじゃないかなとおもう。大正時代だからこそ、開拓団として正体を隠せる逃げ道があっていいな、と思った。大変な環境だし、弓削にとっては本当に高学歴を捨てて生きなければいけなくなったことも勿体無さとか感じてしまうけれど、人生でたった一回、苛烈な炎に人生を焼べるような時が来るような血は受け継いでいたんだね。 こんな作品が書けたらなあって思った。 そして、これを読んでさらに監獄ホテルに行きたくなった。
四日坊主@Book_shelF2026年3月29日読み終わった終盤イッキ読みした〜。冤罪、囚人同士の友情、脱獄といえばショーシャンクの空にを連想したけど、想像以上に淡々とした地味な脱獄計画だった。 弓削にとっての焰は、人々がアッと驚く奇跡ではなく、繊細で穏やかで理知的な弓削という人間が羽嶋という人間に魅せられて「脱獄をする」という後戻り出来ない決意をすることそのものなんだと思う。それこそが全てを奪われた弓削の最後の尊厳であり、だからこの本は“弓削が脱獄を決意するまで”に多くの頁を割いている。 それを点火が遅いとは思わなかったのは、獄中生活の過酷さと弓削や羽嶋の境遇の哀れさから。 相内の件はしてやったりでよかったね。カタルシスの控えめな本書でここが一番にっこりしたかも。 また、寧子の最後の手紙も、山岸の聞きたいことも最後まで明かされずにいたのが切なかった。死んだ者との境界線とはかくも深い……でもそれらへの想いを捨てることはそれこそこれまでの人生や人間性を捨てることに等しいので、未練も全部抱えて彼らのことを時々大切なところから引き出して思い出せるような生活を手に入れられた弓削の姿に安堵した。 冤罪を晴らすために勝ち目の薄い魑魅魍魎渦巻く権力争いに首を突っ込むのも面白そうだけど、こういう逃避行もありだと思う。

- 瑠奈@fish-world2026年1月18日読み終わった今年初読了本。 序盤は説明と回想多めで読みにくいかなと思ったけど中盤からどんどん読みやすくなっていって説明や回想も活かされ説明と回想があってよかった!ありがとうございますという気持ちになった。 緊張感が半端なくて読んでて手汗と動悸が止まらなくてページを捲る手も止まりませんでした! 山岸…









