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ricochet
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@ricochet
幻想文学、ミステリ、SFが好きです bluesky:@ricochetgo.blsky.social
  • 2025年7月3日
    未来散歩練習 (エクス・リブリス)
    未来散歩練習 (エクス・リブリス)
    コーヒーを飲み、歩き、ご飯を食べ、ドーナツを食べ、というような生活のリズムと、人々の間の友情の距離感がとても心地いい。望む未来をたぐり寄せるための練習として今を繰り返し生きていくこと、の意味するところは分かるようでいてはっきりとは分からないけれど、過去と現在と未来を何気ないリズムの中に繋ぎとめる作者の言語化のセンスにはびっくりする。
  • 2025年6月22日
    カーペンターズ・ゴシック
    カーペンターズ・ゴシック
    地の文でも会話でもナレーション的な説明がされず、読者は情報の断片を拾いながらストーリーを作り上げていくことになるが、それは陰謀論を作り上げるのとそう変わらない行為のようにも思える。作中の各人物は、その人について話している人が誰か、対話の相手が誰かによって印象が揺れ動き、読者にとって信頼できる人物は見当たらない。謎めいた言葉の連なりは、今起きている会話や動作の描写の中に、テレビで流れている映像の描写や作品内外のテキストをシームレスに織り込みながら流れていき、幻惑されるような美しさを感じさせる。言葉そのものが、今起きていることのレイヤーを分裂させ、上塗りし、つぎはぎしていくかのような。説明のなさや明暗の描写の美しさから、途中までは映画を見てるみたいだと思っていたけれど、これは小説ならではの体験だった。
  • 2025年6月21日
    小さな手袋
  • 2025年6月21日
    回送電車
    回送電車
  • 2025年6月21日
    イワン・デニーソヴィチの一日
  • 2025年6月21日
    歌の祭り
    歌の祭り
  • 2025年6月21日
    帰れない探偵
    帰れない探偵
  • 2025年6月19日
  • 2025年6月17日
    歌の祭り
    歌の祭り
  • 2025年6月13日
    魔の聖堂
    魔の聖堂
    17世紀と現代のロンドンが時を超えて交錯する怪奇小説、ということで、解説によると現代パートに過去の地名が紛れていたり過去と現代で意味が違う単語が使われたりと技巧が凝らされているとのこと。そこも分かれば過去と現代が入り混じっていく様をもっと楽しめるんだろうな。ふわっと読んでいたらはっきりした種明かしパートがなく謎が色々と残ってしまったので反省。過去パートの時代の暗黒っぷりがなかなか迫力があり、一番楽しめたポイントかもしれない。
  • 2025年6月4日
    影犬は時間の約束を破らない
    影犬は時間の約束を破らない
    冬眠小説は素晴らしい。私が他にぱっと思いつくのは「ラピスラズリ」と「ムーミン谷の冬」ぐらいだけど。 平易な一人称の文体がするっと身に馴染むようでいて、しかし私の頭からでは絶対に出てこないだろう言葉が出てくるたび、そのずれが世界に立体感や余白を生み出していく。例えば「言葉は怖くて、言葉は楽しい。脳は素晴らしく、私は脳がほんとに好きだ。」とか、他にも色々。解説で「誤差を含めて泡立てたようなふっくらした質感」と表現されているのがしっくりくる。ただ文章を読んでいるだけで心地よく、じんわりと回復していくような作品。
  • 2025年6月3日
    未来散歩練習 (エクス・リブリス)
    未来散歩練習 (エクス・リブリス)
  • 2025年6月3日
    火の後に
    火の後に
    単行本未収録作品を中心に集めているとのことで、パルプマガジンに載っているような探偵小説の翻訳などの軽い作品も入っており、それがまたいきいきとかわいらしく訳されていて楽しく読んだ。娯楽小説系については多分この訳だからこそいっそう楽しく読めるんだろうなという気がする。読み慣れないし苦労するかなあと思っていた戯曲のところも、大正の香り漂う台詞回しが心地よくて、案外おもしろく読んでしまった。 印象的だったのはダンセイニの「人馬のにい妻」。別訳で何度か読んだことのある作品であり、名作だとは思っていたけれど、今回改めて読んで、その青春の香り、みずみずしさにくらっとするようだった。これは私が当時より歳をとったせいもあるかもしれないけれど。あと、ロレンスの「アドルフ」も、こどもの頃の動物を飼う高揚と野うさぎの子の生命感がなんとも懐かしい。
  • 2025年5月28日
    夜のミッキー・マウス
  • 2025年5月28日
    左川ちか詩集
    左川ちか詩集
  • 2025年5月28日
    より大きな希望
    より大きな希望
  • 2025年5月24日
    水の流れ
    水の流れ
  • 2025年5月23日
    失われたいくつかの物の目録
    失われたいくつかの物の目録
    失われた物たちを悼む12の物語が歴史小説風、独白、ネイチャーライティングなど様々なスタイルで語られる。それは追悼の儀式であり、墓標であり、アーカイブであり、過去と未来が交錯する場所であるらしい。各章ごとにはさまれる、紺地にほんのりと金色のモチーフが浮かび上がる扉が凝っていて美しい。  ある程度集中と熱量を要する文章は個人的にはあまり好みではなかったけれども、ゲーリケの一角獣やグライフスヴァルト港の自然描写は美しかった。
  • 2025年5月19日
    黄金列車
    黄金列車
    ユダヤ人の没取財産を機関車で国外に退避させる道程が普段の仕事や生活の延長線上のように描かれており、そこが読んでいて楽しいところでもあれば辛さが増すところでもある。文章がいつも以上に削ぎ落とされている気がするが、その分バログの夢、夕陽に照らされるアヴァル達といった叙情的なシーンが妙に印象的だった。とりわけラストはよかった。 「また会うことも、ひょっとしたらあるだろう。その時には聞かせて欲しい。一体どうやって全てを奪った海賊船を追い、目当てのものを取り返したのかを。」
  • 2025年5月13日
    縛られた男
    縛られた男
    無造作に開かれているように見える世界は、くるくる踊る光と影のように、死と生、現実と幻想が交錯し、緊張とエネルギーをはらんでいる。繊細さと強靭さ、率直さと難解さが共存する文章がとても好き。鋭敏な感性と弱者への共感を持ち合わせているのに、終末を見据えながら、悲観にも楽観にも傾かないその強さ。もっと邦訳されないかなあ。
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