ボルドーの義兄

6件の記録
mikechatoran@mikechatoran2025年10月12日読み終わったとにかく不思議な小説である。漢字一文字があって、その後にそれをときほぐしたような文章が続く。それは主人公の優奈は「自分に起こったすべてのことを記録したいと思っている」が、たくさんのことが同時に起こりすぎて、文章では無理なので、出来事一つについて漢字を一つメモ帳に書くためである。一旦メモ帳に書かれた漢字を元に「後から」優奈が「開いた」文章ということになる。その上この作品は当初ドイツ語で書かれたものを日本語に翻訳したという。つまり、時間的にも言語としても、何重にも書き直されたことになる。言語と記憶のあわいを揺蕩うような、それでいて違和感やズレに満ちた文章が心地よい。/形式としては円城塔の「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」を思い出した。あちらは■であって、漢字すらないのだけれど。/ 「(ボルドーの文字は)特に最後のxが好きだった。その前に来る三つの文字の並びeauも好きだった」わかる😊





翠@noctambulist2025年2月6日読み終わった使い慣れた漢字が、記号めいた奇異な姿になって、断章の狭間に浮かんでいる。その鏡文字を解きほぐしてゆくうちに、言葉に対する感受性がゆらぎだす。知略に富んだ小説だが、物語性は取り払われているため、好きな本として挙げることはないかもしれない。
彼らは読みつづけた@findareading1900年1月1日かつて読んだ電子書籍*読書で見つけた「読書(する人)」* 《やっと一人になれて、しかも孤独ではなかった。電車の中では、今年になってからだけでも、ブルトン、バルト、ボードリヤール、ブランショの邦訳を読んだ。読み続けたい時には降りようと思った駅で降りず、そのまま終点まで乗っていった。》 — 多和田葉子著『ボルドーの義兄』(2013年4月Kindle版、講談社)





