Reads
Reads - 読書のSNS&記録アプリ
詳しく見る
翠
翠
@noctambulist
  • 2026年9月3日
    ムーミン全集[新版]3 ムーミンパパの思い出
    ムーミン全集[新版]3 ムーミンパパの思い出
    冒険はいつまでもは続かない。しかし躊躇いさえしなければ、良識の陰から勇気を取りだして、可能性に向かって歩きだせる。騒々しくてめちゃくちゃな思い出と、祝祭じみた新しい一日がつながって、淋しがる暇もないような締めくくりが、思いがけず嬉しい。
  • 2026年9月1日
    ムーミン全集[新版]2 たのしいムーミン一家
    口の悪いところもあるけれど、大切な相手に想いを馳せ、他者の幸福を願いもする。ますますムーミン谷の住人たちのことが好きになった。ジャングルと化した家のなかでターザンごっこに興じるなど、呑気すぎて豪胆にすら見えるところも、魅力のひとつだろう。
  • 2026年8月29日
    ムーミン全集[新版]1 ムーミン谷の彗星
    誰も彼もが自由気儘でありながら、互いに許しあって、身を寄せあって生きている。殊更に意識せずとも、自然にあるがままに過ごしているだけで、このような暮らしが成り立つなんて。物語の外も、自分らしくふるまえる平和な場所になってほしいと、切に思う。
  • 2026年8月27日
    灯台へ
    灯台へ
    人と人とはこうまで分かり合えないものかと思うと、可笑しくなってくる。内心では馬鹿にしている女性からの慰撫をもとめてやまないラムジーと、ご機嫌取りはすまいと抵抗するも罪悪感をおぼえてしまうリリー、という構図には、やはり胸が悪くなるけれど。
  • 2026年8月24日
    最初の悪い男 (新潮クレスト・ブックス)
    最初の悪い男 (新潮クレスト・ブックス)
    運命の赤子との再会を待ち望みながら、居候の上司の娘との闘争に明け暮れる。妄想癖をもつシェリルの日々はとてつもなく奇妙で、彼女が現実と出会いなおす過程もまた、あまりにも異様だ。でも私はこの物語がとても愛おしい。痛々しくてかけがえのない人生が。
  • 2026年8月19日
    星を継ぐもの【新版】
    星を継ぐもの【新版】
    難解な用語が頻出する文章は一見すると無機質に思えるが、著者はむしろ子供のように知の世界を愉しんでいるのだろう。推論に基づく仮説を立て、検証を繰り返してゆく淡々とした過程からも、学問にかける情熱と未知への渇望が伝わってきて、胸が熱くなった。
  • 2026年8月16日
    偽妹【ぎまい】
    偽妹【ぎまい】
    似た筋の小説はいくらでも思い浮かぶが、とにかくエリンのキャラクターが光っている。軽薄なのに誠実でもあって、機敏で肝が据わっていて、時にはひどく無鉄砲で。リーナとデジレと同じファイターでもある。偽妹でも義妹でもなく、姉妹の物語として読んだ。
  • 2026年8月11日
    うさぎ狩りの夜に
    うさぎ狩りの夜に
    ファンシーでグロテスクで、メラニー・マルティネスの映画に近しいものを感じる。サマンサたちは現実を生きられず、安寧をもとめて創作にのめり込んだ。私から私たちに──狂気を分かちあう姉妹になるのは、そう難しいことではないのだろう。良くも悪くも。
  • 2026年8月6日
    永遠の家
    永遠の家
    自身の声を失ってあまたの声を得た、とある腹話術師の遍歴。虚空へのあらたな跳躍をこころみる、という著者の意図を汲み取るのは困難に思えるけれど、虚構を信じる者として、ごく素直に受け取ることにした。永遠の家とは、物語そのものを指しているのだと。
  • 2026年8月3日
    回樹
    回樹
    読者としての距離をはかる間もなく、強烈すぎる感情に巻き込まれて、深傷を負ってしまった。自分と相手の双方にとって危険で、目に見えないために厄介で、どうしようもなく切実で。“消去法の愛”だとしても、これほど込み入った思いをほかになんと呼べるのか。
  • 2026年7月31日
    深淵のかなた
    深淵のかなた
    子供はいつでも大人が思うより鋭く、聡く、傷ついている。交わされる視線や会話、口にされなかった言葉が小さなからだに影を落とすさまに、胸苦しさをおぼえる。一方で、母の痛みも身近に感じてしまい、すぐ傍にある深淵の存在を意識せずにはいられなかった。
  • 2026年7月28日
    マンハッタン・ビーチ
    マンハッタン・ビーチ
    海に魅了されて潜水士を志したアナを中心に、交わっては分かれてゆく幾筋もの軌跡をたどりながら、心は何度もリディアとの海辺でのひと幕へと立ち戻る。あらゆる感情がいっせいに波うって、ほとんど痛みさえ感じるような、美しくわすれがたい場面だった。
  • 2026年7月21日
    明るい夜
    明るい夜
    求めている物語に出会えたときの、深くしずかな喜びとともに、自分が日本人であることが身に迫ってきて、体がゆるやかに地に沈み込むようだった。泣いてよかったのだろうか。共感だの称賛だのが、さらなる侮辱になりはしないか。考え続けなくてはならない。
  • 2026年7月18日
    涙の箱
    涙の箱
    堪えることで自分自身をわずかに損なってしまうことは、ままある。そうせざるを得ないように追い込まれることも、それが永いあいだ続くことも。泣いているひと、泣くことのできないひと、つまり私たちへの真摯な応答として、心に留まりつづける物語だと思う。
  • 2026年7月17日
    ジンタルス RED AMBER
    農奴の身分に囚われながらも、画才と文才を磨く道をもとめるミーシャ。彼が紡ぎだすのは、北方十字軍の殺戮によって故郷と家族を奪われた、ジンタルスの物語。魂を撓める力に抗い続ける生はかくも苦しいが、生きて、生きて、生き抜いた先にこそ、明日がある。
  • 2026年7月12日
    風配図 WIND ROSE
    戯曲の形式を交えたかろやかな語りが、少女たちの思いをじかに伝えてくる。口さがない者には魔狼と呼ばれ、ヒルデグントには壊れた甕に喩えられたヘルガだけれど、彼女を衝き動かすのはいつでも心だった。屈従を拒む意思こそが、或いは人の証なのではないか。
  • 2026年7月9日
    穏やかな死者たち
    穏やかな死者たち
    「精錬所への道」の焼けつくような郷愁に囚われ、「抜き足差し足」で恐怖のあまり凍りつき、「スキンダーのヴェール」の白昼夢めいた読後感にぼんやりと浸る。趣旨から外れているものもいくつか見受けられるが、頗る面白いトリビュート・アンソロジーだった。
  • 2026年7月4日
    淑やかな悪夢
    淑やかな悪夢
    日本の妖怪譚に近しいものから、情念がたちのぼる奇談まで、十二の怪談がおさめられた短篇集。明晰な思考を保ったまま、精神だけが捩れてゆく「黄色い壁紙」に戦慄しつつ、抑圧の結果として自然なことにも思えて、自分でも怖いほど冷静に受けとめてしまった。
  • 2026年6月29日
    ハウスメイド
    ハウスメイド
    惹句の通り、エンターテインメントに振り切った小説だった。刺激的な設定、明快なプロット、軽快な文体と、高いリーダビリティが人気の所以だろうか。かなり大味ではあるけれど、暴力が連鎖して物語を形づくっているあたりは生々しい質感のある作品だと思う。
  • 2026年6月24日
    レテの汀
    レテの汀
    向き合うとはどういうことなのか。問い続けても、答えは得られない。罪は雪がれず、傷も癒えない。しかし、暗がりで震えている自分を見つけだして、寄り添うことはできる。深思こそが、みずからの在りようを変えてゆく。示された希望をずっと憶えていたい。
読み込み中...