ある休日の本屋さんデート。そのはじまり。 気に入った本を１冊ずつ買って、寝る前や休日に一緒に読んでいる。 せっかくのデートだから、知らない新しい本との出会いをと選んだが、大当たりだった。 先日、 作中“悲しいときにもおいしいスープ”のあらいどろどろのポタージュ(P.23)をつくった。 私はスープをつくるのが好きだ。 一人で働き、暮らしていた時は、スープに生かされていた。 それから10年を経た今の私にとって、スープづくりはmeditationである。 素材を感じるあらいどろどろのポタージュ。 五感を研ぎ澄ませてつくり、味わう。 おいしそうで試してみたいことが沢山の、大当たりの本。 今夜も読むのだ。

年末に引っ越して、自分の部屋を組み立て直した。 少しずつ整えて、今日やっとデスクライトを取り付けた。 これで、読みものも書きものも、縫いものも編みものも、なんだってできる。 新しい私の部屋で、ずっと読みかけだった本を読んだ。 ぼろぼろのぐしゃぐしゃになりながら読み終えた。 「アイスクリームは、とけるんじゃなくて、なんのために、しぬの？」 ——「すくうため」 私は読める。本を読める。 ここで、こうして、これからも、読むのだ。