アルゴールの城にて (岩波文庫)

アルゴールの城にて (岩波文庫)
アルゴールの城にて (岩波文庫)
ジュリアン・グラック
安藤元雄
岩波書店
2014年1月17日
6件の記録
  • 不穏で、痛みを伴うほどの静けさ。 圧倒的な広がりと大きさ。 そしてとめどなく押し寄せる比喩の嵐。 端正でありながら荒々しい描写。 岩のような荘厳さと、夢のような浮遊感。 バロック音楽のような格式を感じさせるそれは、あまりにも美しすぎる。 文体は抒情詩や神話のようであり、スケールが大きすぎてどこか現実離れしている。だが、その過剰さこそが作品全体を現実からわずかに浮かび上がらせ、異様な感覚を生み出している。 グラックの世界では、空間は単なる背景ではない。城や部屋そのものが、人間の精神を静かに蝕んでいく。 全編を通して、まるで白と黒だけで描かれた死神の絵のように、色も温度も失われている。時間すら止まったかのように、死が静かに、そして着実に忍び寄る。 終盤、二本の線が並行して走るような描写が繰り返される。一度では完全に読み解けなかったが、決して交わることのできない二重構造を暗示しているのだろうか。 結局、あれは夢だったのか。 だが作品は、その境界すら曖昧にしたまま閉じていく。
    アルゴールの城にて (岩波文庫)
  • うゆ
    うゆ
    @otameshi_830
    2026年5月7日
  • monami
    monami
    @kiroku_library
    2026年4月20日
  • しば
    @shiba_reads
    2026年1月8日
    壮麗で幻想的なアルゴールの城で登場人物3人に起きた出来事が、比喩に次ぐ比喩によって淡々と記述されてゆく不思議な小説。その筆致のもとで風景と人物の境目は霧の中にぼやけ、感情のうねりと海や森や太陽が言葉を介して響き合う。物語の展開の面白さよりも文章表現の美しさを味わうことを読書のよろこびとしているので、今までになく楽しかった。 ちなみに『幻想文学入門』にある倉橋由美子のエッセイで偏愛の一冊と熱烈に紹介されてもいる。青柳瑞穂訳も読んでみたい。
  • Autoishk
    Autoishk
    @nunc_stans
    2025年12月8日
  • Blue moon
    Blue moon
    @mimosamimi
    2025年12月8日
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