高熱隧道

8件の記録
- kinakokinako@kinakokinako2025年8月17日読み終わった感想黒部第三発電所の建設に伴う隧道(トンネル)工事の記録文学。建設当時は日中戦争から第二次世界大戦へと突き進んでおり、阪神地区の軍需利用のためにもトンネル貫通は国策であったと思う。 人を寄せ付けない黒部峡谷の厳しい自然との戦い、最高温度166度の高熱岩盤との戦い、工事監督者と労働者との戦いなど読者のすぐそばで人夫の息遣いや発破の爆発音などが聞こえてくるような臨場感がある。余談だが、先日入ったサウナは85度。ただ座っているだけで5分と持たなかった。この倍の温度で隧道工事に当たった人夫たちは筆舌に尽くし難い環境下だっただろう。私たちは多くの犠牲者、人夫たちの尽力の元、今の豊かな暮らしがあることを忘れてはいけない。
- 花信@flowerkite522025年3月9日読み終わった黒部ダムでもこれは第三ダムの話。とにかく「どうして『ヨシ!』と思ったんですか?」のオンパレード。科学者の見識はことごとく外れ、自然の猛威は人命を簡単に奪う。それでも工事は辞められない。
- 虫の息太郎@pampapam_13322025年3月7日かつて読んだ父親におすすめされて何年か前に買って読んだ本。「あとがき解説詐欺本の筆頭!」というレッテルを貼りたくなる読後感になっちゃった記憶がめっちゃ強い。当たり前だけど筆者の文章力というか物語自体は普通にすごい。 ただ解説に「自然の脅威がすごくて〜立ち向かう人間もすごい〜」みたいなことが書いてあった(はず)でびっくりした。どう考えても地位あるアホな人間が情熱とかいうコンコルド効果による錯覚と完成後の利益に目が眩んで大量殺人を実行した話だろうが〜! 怖いのは自然ではなく、ゼロ災できる技術力もないまま人海戦術で乗り越えようとした人間たちです。おわり
- ヨシコ@ysk4452025年3月6日読み終わったかつて読んだ序盤で何回も事故が起き、死者がめちゃくちゃ出るし、雪崩で飯場の建物が吹き飛ばされたりするしでかなりヘビーな黒部第三ダム建設がベースになった小説。 今なら完全にアウトな工法でどうにかやってる勢いと熱量がすごい。