息が浅くなって、胸がギュッとなって、涙が止まらなくって ヘンなため息が漏れて そして、ただただ悲しくて。 だけども何故か自分も知っている 普段はフタをしている感情で。 毎日　精一杯だよね みんなそうなんだよね　きっと… こんな辛く厳しい一冊だけれども読了後になにかあったかい気持ちにもさせられる。 そんな一冊。

本棚整理で出てきたのをうっかり読んでしまって。前読んだ時も元気がある時にしか読めない本だとメモを残していたはずなのに。あー……… みんな幸せになってほしい。

「こんにちは、さようなら」 過去を忘れていく人と、今を生きる親子の話。 「うばすて山」 終始ほろ苦い。過去を忘れられない子供と、すでに忘れてしまった親の話。だいきらい、と言われた記憶を植え付けたいという気持ちが苦しくて切実で。 虐待にまつわる5篇。どれも苦さがあって、でもどこか優しさが混じっていた。

「うそつき」 嘘をつくことは時に愛。うそつきとみなすことも時に愛。優介なうそつきだと言われて救われているだいちゃんが、本当に救われたら良い。ほろ苦い。

育児をしてると虐待の描写に一層辛くなってしまう。「べっぴんさん」の親子に救いはあるのか