みぎわに立って
15件の記録
nogi@mitsu_read2025年3月13日かつて読んだ大切な本@ 紙片(しへん)6年ほど前、この本に出会ったとき、前年の自然災害に関する仕事で精神的にかなり参っていて、静かな自分だけの、こころの居場所を求めて本を開いていた。当時、エッセイはあまり読んだことがなく、紙片の本棚を眺めて、本の佇まいの静けさに惹かれて手に取ったのを覚えている。言葉がひとつひとつていねいに胸のなかに、慈雨みたいに降ってきて、この本を開いているあいだだけは、穏やかになれた。 田尻さんの他の本も読みたくて、「ねこはしっぽで喋る」を探しに紙片に行き、在庫はないですかと聞いたら、入れますねと言ってくれた。しばらく経ってふらりと立ち寄ったら、顔を見て「あ、入りましたよ」と言ってもらい、特に予約したわけでもないし、名前も伝えていなかったけど、本は確かに並んでいて、あのとき初めて、個人のちいさな本屋さんで本を買う、ということに、楽しみを覚えた。それがあの時のわたしを救ってくれた。 そして、田尻さんのことが好きになった結果、その後、熊本の橙書店まで足を運んだ。本屋さんを目当てに旅することの楽しさもそうして知った。 だから、この本は、わたしのなかでいつまでも特別にきらきらしている。






彼らは読みつづけた@findareading2019年11月12日かつて読んだ*本の中の読書* 《雨の本屋は気持ちがいい。本が雑音を吸収して雨音だけが響き、いつもより言葉と親しくなれる気がする。 今日は、終日雨だった。みな気持ちよさそうに本をさわっていた。》 — 田尻久子著「雨の日の本屋」(『みぎわに立って』2019年3月、里山社)





















