AIは短歌をどう詠むか

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- のーとみ@notomi2025年3月5日かつて読んだ浦川通「AIは短歌をどう詠むか」読んだ(正確にはオーディブルで聴いたのだけど、もう「読んだ」で統一する)。構成とテーマ立てが上手くて、欲しい情報がスルスル入ってくる、実用新書のお手本みたいな本だった。AIはどういう仕組みで短歌を生成しているのかを、「どうやったらAIに短歌を詠ませられるか」という方向で解説してくれるから、AIの言語処理の仕組みと短歌という定型詩の構造が同時に頭に入る。で、じゃあ自分はどうやって短歌を作ろうとしているかを考えるヒントにもなる。 そこから、様々なパラメータによって生成される歌がどう変わるかを沢山の例とともに見せてくれるから、言葉の連なり、繋がり、飛躍、リズムなどの数値化の方法と実践の繰り返しは、ほとんど人がやってる作業と同じで、違うのは自然言語としての可能性をパーセントで選ぶか、経験や感覚で選ぶかくらいで、もはやそれって同じじゃない?という気にもなる。その上で、なんだか人ではない感じが出るのがたまらなく面白い。 で、そんなAIを使って「人」がより面白い短歌を作る試みの紹介とか、プロのAI活用とかの話から、AIとの付き合いと未来みたいな話で終わる、なんとも鮮やかな本で、それ自体も面白いw 宮内悠介のAIに書かせた短編「すべての記憶を燃やせ」が、AI詩を中心に物語を構成していたのにも通じるのだけど、詩情はデジタルと相性がいいと思うよ。