真夜中の子供たち(上)

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- pamo@pamo2025年3月17日読み終わった感想図書館本『百年の孤独』以来のマジックリアリズムの名著、「ブッカー賞中のブッカー賞」。その名に違わぬ名作! インド旅行後に読んだので、インド中を旅しながら、世界大戦後のインドの歴史を辿るのにも最適だった。 「インド独立の日の夜に生まれた子供たちは超能力が使える」という設定から「ストレンジャーシングス」的なファンタジーかと思ったが、全然違った。ファンタジー色はごく僅かで、中身はもっと生々しくて泥臭い、1人の人間が歴史の変化に翻弄されながら、多くを失い傷つきながら生きてゆく話。 富裕層の暮らしとスラム街、パキスタンでの戦争、宗教、政治…主人公の人生を通して、カラフルなインドの明暗が鮮やかに生き生きと描かれる。 ラストのカタルシスは『百年の孤独』と双璧をなす。 インドに関心のある方はぜひ手に取っていただきたい。