偏愛蔵書室

15件の記録
- りなっこ@rinakko2025年8月20日少しずつ併読中読み返したい。 “可能な限り筋を語らず言葉に留まるガッダの天邪鬼は、ジョイスを初め、古のラブレーやスターンらにも比すべきだ。そこには小国の統合で成ったイタリア特有の、重層的な「訛り」の混沌(カオス)が渦を巻いている。言葉に病んだ作家の、言葉への恐るべき復讐。それがこのむっちゃくちゃな小説である。” (むっちゃくちゃ文学事件 『メルラーナ街の恐るべき混乱』カルロ・エミリオ・ガッダ)
- りなっこ@rinakko2025年8月14日少しずつ併読中既読本の頁に引き込まれる。 “ナチスに銃殺されたポーランド作家ブルーノ・シュルツはカフカの翻訳者だった。その作品にもカフカ的幻想性が横溢している。だが何より特筆すべきは、その幼年回想風な美しい詩的描写のさまだ。(略)ことほど左様、シュルツの文体はただ眼でふれる画布か楽譜と同じで能書きは通じず、言葉でありながら言語化(合理的説明化)されることを拒み続ける。” (詩の言葉で小説を 『肉桂色の店』ブルーノ・シュルツ)
- 熊ぐらたん@kumagura2025年5月20日読み始めた「私見によれば文学とは、絶対的な孤独の中に身を置き、その独房の無聊をかこつため読書に明け暮れ、それにも倦んだ人間がついに『文学の病』を発症し、自己の内なる言語との『狂気の対話』を始めた時、産み落とされる」
- DN/HP@DN_HP2025年3月6日読んでるとても印象に残っていた深沢七郎の『みちのくの人形たち』の評を立ち読みしてみたら、その短編に感じた怖さの理由が分かったような気がして感動した。ということをきっかけにして買ったこの本のまた別の評をきっかけにして読んだ太宰治の「葉」という短編には、思いがけない共感と感動があったのだった。というところで、ひとつ満足してしまっていたけれど、また少しづつ摘み読みしはじめている。