砂の器 下
49件の記録
碧星宮アイオ@hekisei9io2026年9月4日買った読み終わった読了。 「ちいかわ人魚編に似てる」に妙に納得がいった。犯人と共犯がいるところ、犯人に(一応)酌量すべき事情があるところ、「音・音楽」が核になるところはたしかに似てると思う。ただこっちの下手人たちはとにかく後ろ暗く薄汚いし、犯人と共犯の間に綺麗な絆はない。(他の命を犠牲にしても、二人で変わらずに生きたいという愛情が「綺麗」かどうかは別として) 解説の人と同じミスリードにまんまと引っかかったけど、とにかく今西刑事と共に紆余曲折した末の真犯人判明なので、むしろさすが巨匠だ…という感銘を受けた。関川がどうしようもない小物クズなのには変わりなかったし。 こいつらが破壊したのは「既存のモラル」ではなく、「不変にして普遍の人間性」だったと思う。 子供と女性に対する赦し難い罪が描かれるため、今さらだけど、苦手な人は読むのやめた方がいい気がする。 この国のハンセン病に対する政策と世の中の差別は無論間違っていたが、私はこちらの犯人には一切同情できなかった。世間が犯人とその家族にしたことと同じどころか、それ以上の悪行をやったのだし。 二人とも檻に入れられて、刑期が晴れようが世間が赦そうが、罪悪感という暗い水底に永遠に沈んでろと思った。心身を殺されるほどの差別を体感していない人間の綺麗事かもしれないが。 ラスト、今西刑事の優しさがかえって残酷に映る場面もちいかわ人魚編に似てたかもしれない。読み終わってしばらくしてから、あのアナウンスが「この名前の人間がこの世に存在しなくなったこと」、「出世の道は断たれ、日の当たる社会のレールにすら戻れないということ」を象徴しているのに気づいた。 そして最後の一文で、彼らが高慢と虚勢と罪の上に必死で築いてきたものが全否定され、まさに砂の器のように崩れ去ったのだなという悲しい美しさがあった。胸の何処かで「ざまぁ」と思う私の、彼らと同じ薄汚さが含まれていたかもしれないが……。
M市のR氏@aoi-honmimi2026年5月22日読み終わった突然死した男が倒れた場所にあった失業保険の統計表、ある女の奇妙な引っ越し、そして新たな死。刑事は伊勢、北陸、大阪で被害者の足取りと犯人の足跡を追う。 彼は保護された安全な場所からなぜ、危険な綱渡りを選んだのか。読み終わった後にそれについて考えてみると作中には書かれてないが、その場所は彼が彼でいる限り決して心から安心できる場所ではなかったのではないか。 だから戦後の混乱に乗じて、新たな自分を獲得した後に己の才能で若くして成功を収めた彼の見えざる思いや、それ故の保身を安易に非難することはできない。同時に彼の犯した罪を擁護することもできない。 作中で印象深かった東京の華やかな世界と北陸の貧しい農村の残酷なまでの対比。それは彼も見たであろう景色であり、どんな思いで彼はそれらを見ていたのだろう。
euy@euy2026年4月24日小説を読み終わった流れで1974年の映画も見たけど、変な超音波の設定とかをなくしてコンパクトにまとめて、その分小説でほとんど具体的な描写がなかった本浦親子の放浪の旅を、かなりの時間をかけて描いてて、これがすごくよかった。病気になったがゆえの苦しい遍歴、親子離ればなれになってしまう宿命。音楽もよくて泣けた。そうそう、こーゆーのを描いてほしかったんや。
よみみ@yomir2025年9月12日読み終わった今日仕事終わりに図書館で借りてきたんだけど 続きが気になりすぎて一気に読んだわ! 松本清張ははじめましてだったんだけどすげえな〜、方言とか地名とか、要素が面白すぎる。 今西さんの機転や執念がすごいし、後輩吉村がそもそも素直で可愛げのある人間性でめちゃいいやつなのが癒し要素だったな〜、こういう作品に1人はいてほしいタイプだよね。あと算盤おじいちゃんもよかった! 最後の連行シーンなんかはなんだか美しいなぁと思ったけど、フィクションだとしてもやっぱりあんないい人が凄惨な殺され方をしたのは悲しすぎてめそめそします。 でも昔のハンセン病に対する差別や風評被害はきっと今ふつうにすごしてる我々じゃ決して理解できないことなんだろうなぁとも思った。 砂の器、どんなに綺麗に作っても近づいてちょっと触ったら壊れそう。そういうことですか〜。
つばめ@swallow32025年7月15日読み終わった映画を先に観て結末を知っているはずなのに、謎に包まれた序盤から徐々に犯人に辿り着いていく過程に引き込まれた。 今とは異なる時代背景でありながら何度も映像化されているのはやはり作品の力がすばらしいんだなと思う。 今西刑事のカンがすごすぎるなとも思うけど、当時は監視カメラも指紋鑑定もないから、現代にはないカンが当時はあったのかもなあとも思う。 今西刑事と吉村刑事のコンビがすごくいい関係だなと思ったので、またこのコンビでの作品があればなあと思う。












































