人よ、花よ、上

9件の記録
- ユメ@yumeticmode2025年5月6日読み終わった感想英傑を描いた物語は数あれど、「英傑の子」を主役に据えた物語は珍しい。本書の主人公は、楠木多聞丸正行。あの楠木正成の長男だ。 「英傑の子」として生きる道を敷かれることへの苦悩や反発が手に取るように描かれ、平和を志す多聞丸が下す大きな決断に、どうかその企みが実るようにと願わずにはいられない。弟や従兄弟たちとの日々には青春という言葉も似合うように感じられるからこそ、彼の「皆で生き延びたい」という願いがいっそう切なるものとして胸に響く。 「桜井の別れ」で正成が語った言葉にも感銘を受けた。今村さんの歴史小説には、「史実がこうであったらよいのに」と思わされる、抜群の面白さとひとの心を揺さぶる力がある。
- あきたさん@akita_32025年4月27日読み終わった大好きな今村翔吾さんの新刊 南北朝時代の悪党であり英雄 楠木正成の息子、楠木正行の物語。 登場人物全員が魅力的。香黒(馬)が特にかっこいい。 2世たちの苦悩、南朝と北朝の存在、民たちの生活、、様々な問題に絡め取られながらも仲間たちと共に進む正行から目が離せない。 もちろん歴史物だからこの後どうなるかは分かっている。それでもこんなにワクワクしたりソワソワさせられる小説を生み出すなんて本当に凄い!