春の庭

12件の記録
- Wi-HEi【6月より読書休止中】@Wi-HEi2025年4月25日読み終わったアパートとその周辺の土地、家を舞台に展開する物語。 手の届くような描写なのに、手探りで一つずつ実感を得ていくような感覚の小説だった。深すぎて、半分も読めていない気がする…。とにかく、すらすら文が進んでいく。すごい。建築にフォーカスしているように見えて、人の営みとかその足跡の軌跡を本当に大切にされている作家さんなんだなあと。 個人的には、ぽんと出てきた興味をそのまま素足で追っかけるような登場人物たちが好き。部屋番号を干支で描写するのも素敵だった。
- うみこ@umico52025年3月21日読み終わったとことん柴崎さん節でした。そこを⁈というところを微細に描き、重要そうに思えるところを描かない。でも確かに、蚊に刺されてかゆいとか、冷蔵庫の音が気になるとか、生活ってそういう細かいことの積み重ねだよなぁと思う。そして関係性の不思議な人たち。柴崎さんの小説を読んだときにいつも感じるのは人を描いてるというよりは街を描いている…感じ。街の中のひとりひとりの人生は、何でもなくて特別。
- あさぎ書房@ASAGI_BOOKS2025年3月13日読み終わった『春の庭』と題された写真集と、そこに写った家と人とをめぐる物語。 前を通りすぎるだけのあの木にも名がある。虫もいる。鳥もいる。瀟酒な豪邸があれば、木造のオンボロアパートもある。人が住んでいる。ああ、東京の街ってこうだよね。こんな風に文章で風景を描けるのか、すごいなあと思う。 登場人物の、淡々としていて、それでいて個のある感じも塩梅が良い。ちょっとヘンテコなこだわりを持つ西さんが好き。