人間に向いてない (講談社文庫)

9件の記録
- あおい@booklover_aoi2025年8月9日読み終わったKindle Unlimited@ 自宅2025.8.9読了。 少し前から気になっていたものの、メンタル整ってる時のほうがいいかな?と思って読むタイミングを計っていた本。 あらすじで構えすぎてしまっていただけで、内容はそこまでメンタルがやられる系ではなかったです。 息子がクリーチャーになるという設定からどこを終着点にするのか、と思っていましたが、私は読み終わった時によい落とし所を作ってくれた、と感じました。 変異した人たちの描写がリアルで嫌悪感を想起させるので、そういうのが苦手な人にはおすすめできないのですが、人間心理がリアルなので、少しでも気になるなと思った人には読んでみてほしいです。 家族という集団として括られていても、本人たちが相手への理解を深めようと心をくだいたり、相手のことを考えて行動するという努力を怠ると、家族だろうと分かり合えない存在になるというのは世の中の様々な媒体を通して情報として入ってきます。 ただし、分かり合えないから排除していい存在になるわけではないし、生命を脅かしていいことにはならないと思います。 自分が理解できない存在になって、種族としても自分と違うものとなった時に、排除する正当性を得てどういう行動に出るかがとてもリアリティがありました。 自分と違うものは排除していいと思うことが「正しい」と考える危うさを、この作品を通して改めて感じました。 人間心理や集団心理についても気になってきたので、ちょっと興味を持てそうな本を探してみようかなと思います。