
いしかわゆき
@milkprincess17
ライター・作家をしております。最近疲れているので小説をもりもり食べていきたい気分。村田沙耶香さん、湊かなえさん、三浦しをんさん、凪良ゆうさんなどなど。2025.03-の備忘録。
- 2025年5月10日
- 2025年5月10日
- 2025年5月3日汚れた手をそこで拭かない芦沢央小説さまざまな「ああすれば良かった」が詰まっている。シチュエーションは違えど、こうすれば結果は違ったんだろうかと思う瞬間は人生で多々ある。言えばよかった、言わなければよかった、やればよかった、やらなければよかった。
- 2025年5月2日
- 2025年5月1日
- 2025年4月28日殺人鬼フジコの衝動真梨幸子小説"もう、割に合わないことはいや。見返りのないことはいや。せめて、わたしが心を砕いた分の、幸せがほしい。" それにしたって道を誤りすぎたよフジコ…!と思いつつ、親から受けた虐待、投げかけられた言葉はカルマとしてまた繰り返されてしまうんだろうか。大人たちの手のひらの上でもがくしかないんだろうか。主人公がぶっ倒れたり妄想癖があるため、読みながら夢かうつつかの世界を一緒に彷徨うことになる。そしてラストの畳み掛けは圧巻でした。
- 2025年4月27日芸能界染井為人小説「結局よ、どんな人生を歩もうが人は苦労するようにできてんだ。だったら好きなことを好きなようにやらせてやってもいいんでねえの」 元芸能人マネージャーが書いていることもあり、リアルにこんなことがあるんだろうな…と感じさせられるシチュエーションやキャラ設定。覗き見しているような感覚で楽しめた。しっかし芸事ってやっぱり大変!ストレスの溜まる世界なんだろうな。短編集ということもあり、ラストが描かれていない作品もいくつかあるけれど、もうちょっと先が見たかった…!と思うこと多々あり。
- 2025年4月26日
- 2025年4月25日対岸の家事朱野帰子小説“みんなと同じ暮らしをすれば、もっと安心できるのではないか、と思ってしまうのだ。" 専業主婦が絶滅危惧種になるというファンタジーのような来る現実のような話。地方はともかく、実際に東京では始まっている。時代によって価値観なんてコロコロ変わるので、後ろ指差されていたワーママがスタンダードになるのも当たり前の流れ。一方でこの本の主人公は専業主婦である。家のことをすべて任される専業主婦は、ふわふわと生きているようでなくてはならない存在でもある。ワーママと専業主婦、そしてパパ友も。みんなが共存し助け合う世界になっていく(じゃないと生き延びられない)ことを示唆する1冊。皮肉を言うんじゃなくて認め合わないと。
- 2025年4月25日時をかけるゆとり朝井リョウエッセイ朝井さんとは同じ時期に大学に在籍していたはずなのに私とは正反対のリア充ライフを送っており、「ほんまに同じ早稲田生なんか…?」と衝撃を受ける。そして改めて、エッセイを書く人というのは記憶力がすごい。カットモデルや100キロハイクの情景描写の細かさよ…。「心の底からオーマイガーである」のフレーズがお気に入りすぎてクソ笑った。
- 2025年4月22日Nのために湊かなえ小説ドラマをちょっとだけ観たけど、どんな内容だったっけ…と改めて履修。事件そのものに不可解な点があるわけじゃないけど、誰かが誰かをかばって嘘を吐く、そのやさしさが複雑な構造を生み出している。表題の「N」は一体どのNなのか、そんなことを考えながら読み進めるのがお約束…。そして、お前なんかい…!ってなるのもお約束。
- 2025年4月18日人間標本湊かなえ小説見たこともない蝶々たちの姿が頭のなかでひらひらと舞う。登場する作品たちはなかなかグロテスクな代物だが、描写が丁寧すぎてつい頭のなかで想像してしまう。自由研究のレポートのようにまとめられた小説形式が斬新で面白かった。
- 2025年4月15日
- 2025年4月15日
- 2025年4月13日エッセイ“おい。聞いてるか。 わたしは、好きに生きるぞ。 周りの意見も、将来の不安も吹き飛ばして、わたしは今の、今だけの幸せを求めて生きるぞ。" わたし、南綾子さんめちゃくちゃ好きかもしれない 。例えで出てくる人たちが野球選手とかで全然わからんけど、このテンション感嫌いじゃない。 「このままじゃ孤独死する」と何度も婚活をしてはやめ、してはやめ、を繰り返して38歳。好きになったと思ったら相手は24歳で絶望したりして、良さそうな人は振り向いてくれなくて、振り向いてくれても「なんか無難そう」とか思ったりして。失敗するたびに周りからワーワー言われる。もはやアラサーの生きづらさは周囲のせいなのではと他責にしたくなるぐらい。自分の幸せって何やねん!!!てなるよね。そんなんはわからんよ。何をやっても後悔するような気がするし、何をやっても正解な気がする。
- 2025年4月13日夫よ、死んでくれないか丸山正樹小説タイトルのインパクトが大きすぎてどんな話かと思いきや!「夫を殺したい」と思っている人って意外とたくさんいると思う。(ただ、もちろん逆も然りだとは思っている)実際に親の喧嘩を見ていると憎たらしさ全開だし、私も彼氏との大喧嘩でぶん殴りたくなることもたくさんあるので、愛と憎しみは表裏一体というか…お互い距離が近いからこそ、望むことを叶えてくれないからこそ、配慮がないからこそ、そして期待しているからこそ殺意が芽生えるよな…と思ってしまう。私もいつか夫を殺したくなるんかな。
- 2025年4月13日凜蛭田亜紗子小説網走の遊郭のお話。個人的に網走監獄に行ったこともあり、トンネル開通工事の厳しく劣悪な作業環境で命を落とした囚人たちの話は知っていた。けれど、その裏では同じく過酷な環境で働かざるを得ない遊女たちがいたのだと切なくなる。どうしようもない親たちが借金を作ったり、貧乏でままならなかったり。華やかな世界にも見えるけれどその実はまったく。花魁なんて容易く呼べないよ。
- 2025年4月13日一次元の挿し木 (宝島社文庫)松下龍之介小説さ、挿し木ってそういうことなの…⁉︎ な展開。いろいろ設定はぶっ飛んでいるけれど、頭のなかでアニメ化するとすとんと入ってきた。しっとりとした空気のなか、濡れた紫陽花の傍らに佇む長い髪の美しい少女。おまけに主人公もめちゃくちゃ美少年(しかし笑わない)ということで、何とも神秘的なムード漂う作品でした。
- 2025年4月13日大人になったら、畑野智美小説“結婚していない上に彼氏もいないというだけで、わたしやみっちゃんは、彼女たちより下の存在にされる。こんな風に、上から目線で忠告できるほど、結婚して子供を産むというのは、偉く感じられることなのだろう。" 何なんだろうね。この双方間で作り上げる地獄絵図は。偉く感じているのはどちらなんだろうと言う。それでも独身アラサーにしてみれば、何も成し遂げていないような劣等感は募る。仕事か家庭かのどちらかで成果を残していなければいけないような。あ、結婚していないなら仕事に精を出しているんですね、みたいな。別にどっちでもなくても良いと思うんだけど。仕事やお金のことは踏み込んでこないのに、なぜ恋愛のことになると口を挟んでくるのかはとても不思議だけど、よもや共通の話題がそれしかないということなのかもしれない。
- 2025年4月13日夜明けのすべて瀬尾まいこ小説たかがPMSとか、たかが鬱とか、たかが頭痛持ちとか、たかがお腹が弱いとか。目に見える範囲だけがすべてじゃないし、それにどれだけ苦しめられているかがわかるものかと思う。安易に「でも、ただの◎◎じゃん?」とか言われるのもまっぴらごめん。打ち明けられる人に巡り会うまで、自分の症状を抱えながらも過ごせる環境に出会えるまでの旅路はとても長いけれど、そのなかでできることを少しずつやっていけたらと思う。たとえ朝起きられないとか、人と話せないとか、明確な病気名がなかったとしても。
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