呼人は旅をする

13件の記録
- いずみがわ@IzuMigawa_itsu2025年8月16日読み終わった変わらないわけないじゃん。 呼人とそうじゃない人が、本当にまったく同じわけがないじゃん、って。 p.225 国が発行する証明書や「呼人支援局」、支援制度が存在する。それでも様々なものを呼び寄せる「呼人」は旅をしなければいけない。ポーの一族みたいに。 長谷川まりるさんはマイクロアグレッションをしてしまう人を書くのがべらぼうに上手い。娘に「強くなれ!」と励ましてくる父親、「呼人かそうじゃないかなんて関係ない!みんな同じよ!」と周りにこどもに主張する母親…。その子をそのまま受け入れて愛するのってなんて難しいんだろう。 彼ら彼女らはそんな肉親と和解できなかったり、ズレを少し縮められたりする。そして行き先でchosen familyを見つけてゆく。 知識が頭をガチガチにする、というのはよく聞くことだ。でも知ることで誰かを傷つける言葉を選ばなくなるかもしれないし、心と頭は柔らかく自由になれる。知識や知ろうとする姿勢にはそんな力がきっとあると思う。
- ユウキ@sonidori7772025年4月27日読み終わった借りてきた色々なものを呼び寄せてしまう体質の人たちとその周囲の人たちの話、読み切った後爽やかな気持ちにはなるものの、マイクロアグレッションだったり、他者への想像力だったり色んなことを考えながら読める本だった。たんぽぽは悪が好き。子供たちだけじゃなくいろんな人に読んでほしいよ〜。
- 大吉堂@daikichidou2025年4月7日読み終わった『呼人は旅をする』(長谷川まりる)読了 なにかを引き寄せてしまう呼人は、その特性ゆえに旅をする。理由なく不意に「マイノリティ」になってしまった人にまつわる、偏見、同情、理解、困難、諦観、支援、そして希望を、オムニバス短編により様々な情景とともに描く。実に巧い。そして面白い。
- 九日@kokonoka2025年2月8日読み終わったとてもよかった。呼人はマイノリティのメタファーとして描かれていて、当人、友人知人、家族、サポートする行政側など広々な視点からの短編集で、分かりやすく、薄味にならず、旨味がある良いご飯を食べた感じ。 呼人にこういうことを言ってくれる人がいたらいいな、と思った台詞が後半で出てきてオッと思いつつ、それに対する返しも好みで心地よかった。ラスト2篇の「男を寄せる」と「渡り鳥」が特に好き。 この著者の過去作も読みたくなったのでリストに追加する。