個人的な体験
72件の記録
ドッグストエフスキー@dogstoevsky2026年9月9日読み終わった鳥は弱さを嫌悪し、自由を希求する。でも彼自身は全てにおいて弱い。27歳なのに肉体的には中年だし、絡んできた若者たちには不意打ち的な奇襲でしかダメージを与えることができない。精神的にも彼は弱い。不具の赤ん坊を殺すことも受け入れることもできない。赤ん坊を殺してと弱々しい声で言う義母に嫌悪感を持つ。それは義母が彼の中の弱さを想起させるからだ。でも義母はある種の強さがある。彼女は自分の弱さを隠さない。 鳥は自由な火見子と堕落した生活を送るが、過去に見捨てた同性愛者の青年と再会することで転機を迎える。彼は赤ん坊を自分の手で殺すかこれから育てるかどちらかのみに身を任せると決心する。彼は赤ん坊を殺したいという本音とやはり見捨てたくないという本音、相反する自分の弱さを受け入れたのだ。 彼は自由を殺した。そして火見子は彼を置いて自由の象徴であるアフリカへと向かうわけだが、不具の我が子を抱く彼は逆説的な自由を手に入れている。彼はもうアルコールに溺れないし、セックスにも溺れない。彼は弱さを引き受けることによって、新たな自由を手にしたのだ。 文体の力で読まされたけど、火見子との堕落云々は陳腐な感じがした。彼女は鳥に都合が良すぎると思う。魅力的ではあるので、彼女自身が主人公の別の小説が必要かな。 それよりも他の人とのやりとりのほうが面白かったかな。著者本人がこれは青春小説だと書いてたけど、その通りだと思う。だからこそ最後のくだりは必要だったと思うな。大江健三郎って情熱的ですよね。

棘@leavesofgrass2026年8月20日読み終わったバードがおかしいのではなく世界がおかしいのだ。読んでいるときにバーの菊比古が話しかけたとき赤ん坊が話しかけたように読み間違えてそこがよかった

- gk@iharagaku2026年6月1日読み終わった再読 「しかし、この現実生活を生きるということは、結局、正当的に生きるべく強制されることのようです。欺瞞の罠におちこむつもりでいても、いつのまにか、それを拒むほかなくなってしまう、そういう風ですね」

ツナサンド@mor_1024302026年3月17日読み終わった『ものものしくサイレンを鳴らし善き市民たちの交通信仰を無視し、大都会の中心を草原を疾走するジープさながらに救急車をかけっていたあいだ、そのストイックな制服を充実させていた威厳をうしなって精彩を欠いていた。』 戦争から帰還した元兵士みたいだな 『かれの皮膚感覚や神経細胞は意識の制御から遠ければ遠いほど確実に、この季節この時間の素晴らしさと、いきいきした解放感をあじわっていた。』 あるね 『三人の若い助教授たちがコオフィを飲んでいた。』 コオフィ 『それも地方出身の文学部のメムバーは、』 メムバー 『しかし、快楽的な熱の箭がたちまち鳥の胃を刺しつらぬき、鳥は身震いから回復した。』 胃が刺しつらぬかれるのはめずらしい 『鳥はウイスキーの酔いに加熱しジンジン鳴っている眼球に力をこめて、鼬のようにすばしこく火見子をうかがった。』 眼球が鳴るのも 『ただ棘だらけで赤黒い欲望と不安のウニは溶けさらなかった。』 ビジュアルが先行しすぎだろ 『そしてもう鳥は眠りのイソギンチャクの触手の波状攻撃に、あと一分間しか抵抗できないのを感じた。』 眠りのイソギンチャク 『鳥は頭をふり深呼吸して、様ざまな脅威で鎧った二日酔のザリガニから身をまもるべく試み、』 二日酔のザリガニ 『そしていかにも自己閉鎖的な暗い眼をしている、痴漢みたいな顔を見た。』 具体的な罪名でたとえるのおもしろい 『こういう時、いちどは過度なくらいに慰められておかないと勇猛心をふるいおこして混沌から脱け出さねばならない時に、ぬけがらになってしまっているわ』 わかる 『鳥は疲労の蟹にとりつかれた。」 疲労の蟹


まつこ@matsuko--Books2026年2月10日読み終わったなんだろう... どこにも共感しない(はず)のに 否定しきれないし 自分とは違うと言いきれない それどころか自分の中にある 黒々としたものを垣間みる 大江健三郎はこれを書くことで どうにか生きたのだろうと思う









武田 俊@stakeda2026年1月18日読み始めたこれもチャッピーが勧めてきたので、高校生ぶりの再読。なんも覚えてない。冒頭のゲームセンターでパンチングマシーンやるシーンなんて、初めて読んだような気持ち。今のところ、跳躍力の高い比喩と自分のモードとの相性が悪い。

おるば@olva2025年11月11日読み終わった・未熟児+先天性重度聴覚障害者としての感想 ・「音を視る」というサブタイトルだけに釣られた坂本龍一展が死ぬほどおもんなかった(全然見えんがな客多すぎて)のであやうく作品とは無関係な理由で坂本龍一アンチになりかけ、坂本龍一が大江光アンチってことだけ知ってたので敵の敵は味方理論でなんとなく大江側だった、なんも知らんけど ・って程度の知識で初めての大江 ・僕もウィリアムブレイクは好きだし ・読んでる時の脳内作画がめちゃくちゃ90年代エロゲだった(主に火見子のせい) ・バードは海外児童ファンタジーの表紙絵のガーゴイル(鳥寄り)って感じ。絶対肌の色は灰色 ・マイナスな感情表現がイソギンチャク、カニ、ザリガニ、ウニなので多分大江は海鮮嫌い ・「ハンチバック」って「個人的な体験」+「パルプ・フィクション」じゃね? ・救いに着地したとは言えるが、ちゃんと安易な救いにはなっていない。この救いの位置付けは他の大江読んで比べてみないとわからないと思った。 ・アル中といい引責といい障害といい、國分・熊谷の「責任の生成」が脳内でチラつく物語だった。 ・インテリエッチ未亡人(退廃的)という新ジャンル開拓のお知らせ ・個人的な体験、死と再生とまでは言わないけど、内側の儀礼の物語化って感じ。動けなくなってからの一歩目に凝縮されている地獄を本にしたんだろうな。そのビフォーアフターを無理に描いてる印象を受けたのはあんま好きくなかったかも… ・俺たちもお前たちもこの先に広がるのは地獄です、以前と以後何も変わりなく。だからその責任を取るっていう地獄を選ぶ物語を書く必要があったんだろうねえ、バード ・「バード」という呼びかけの語感の良さが9割説あるくらいには心地いい。 ・ねえ、バード (追記)あとがき読んでなかった。そもそも設計図がビフォーアフターの対比ありきだったらしい、なるほどー
離乳食@munimuni2025年9月15日気になるかの「ハンチバック」を執筆した市川沙央さんのおすすめである。私は身体障害者、知的障害者、精神障害者と「共生」することについて考え続けなければならない。


- こよなく@funyoi2025年9月8日読み終わった一緒に頽廃するつもりで読んでたから、最後裏切られた気分。 ずっと逃げ回ってることも、守る価値のないカスな人間であることも、社会や人と関わって生きる以上、責任や役割を果たして生きた方が周りも味方してくれるってことも、全部初めからわかってたことじゃないのか?そういうものから降りてゼロになってアフリカに行きたかったのじゃないのか?俺を置いて大人になるなよバード。自分が大事だから価値ある人間になったのか、そっかぁ、良かったなぁバード。


うっちー@orange_u2025年4月2日読み終わった大江健三郎の本をはじめて読んだ。読み始めたときは一文が長いなと思ったけれど、だんだん慣れてきて意外と読みやすくなった。障害のある子供が生まれた親が題材なので、障害者への認識や男女関係についての当時の日本の常識を強く感じる場面が多かった。感情をウニとかカニとかで比喩してて面白かった。
うみぶどう@umibudou2024年2月28日読み終わったかつて読んだ冒頭数ページで一気に引き込まれた。若者が危機を乗り越え、或いは受け入れ、成熟していく青春小説として面白く読んだ。文体がのびやかで熱量に満ちている。火見子の多元的宇宙の話も印象的。結末は蛇足に感じる人もいるかもしれないが個人的にはこれでよかった。















































