ザ・ロード

9件の記録
とろん@toron05032026年2月28日読み終わった桜庭一樹さんや奇書イさんがおすすめしていて、以前から気になっていた。 おそらく核戦争?後のアメリカを舞台にしていて、人類は復興する兆候もなく死に絶えてゆく途上にある。建物は灰と雪におおわれ、樹は枯死し、食物は文明が死滅する前の缶詰などを探し当てて食べるしかない。 ごくまれにすれ違うひとは追いはぎか「食料」で、お互いを助け合おうとするフェーズはとうに過ぎてしまったという感じ。救いはない。 父子はそんな世界で少しでもましな冬を越すために、徒歩で南を目指している。 といっても『少女終末旅行』のような明るい絶望という感じではなく、ふたりの見る風景すべてが「生きているのが苦しい」という変奏曲のような道程だ。それは絶望のハイエンドであるはずなのに、文章にされるとなぜかひどく美しい。 核戦争後に生まれた息子は荒廃した世界しか知らないにも関わらず無垢で、行きずりの人を助けようとしたり、追いはぎを許してやってほしいと父に頼んだりする。 そんな息子は父にとって神であり宗教であり、自分の心なのだと思う。 括弧を使わない独特の文体も、この世界観に非常に合っている気がした。ずいぶん前の刊行ではあるけれど、今年出会えて良かった1冊。


二晩占二@niban-senji2026年1月2日読み終わった■荒廃した世界を旅する親子を追ったポストアポカリプス・ロードノベル。世界がなぜ崩壊を迎えたのか、具体的な説明はない。 ■日本風に言うと子連れ狼×北斗の拳、といった感じ。ただし爽快なアクションシーンはない。 ■親子は凄惨な出来事を次々に目にするが、物語の目標が生き延びることなので、どれも淡々と通り過ぎていく。 ■砂浜にアルファベットを書こうとするシーンが特に印象的だった。誰かに遺す言葉がなくなったとき、誰かから譲り受けたい知恵がなくなったとき、物語に希望が感じられなくなったとき、文字に何の意味があるのだろうか。





