堕落論

14件の記録
- こる@stor_kol2026年4月6日読み終わった美しいと解釈されている人間の上っ面や建前を悉く薙ぎ倒して、「堕ちていくことこそが人間なんだ」と訴える淡々とした文面が印象的だった。個人的に近しい思想を感じて読みやすかった。 Kindleで無料なのも素晴らしい。



沙南@tera_372026年3月29日読み終わった「半年のうちに世相は変った。醜の御楯といでたつ我は。大君のへにこそ死なめかへりみはせじ。」 坂口安吾という人間の考えを、ひとつ残らず読み落としたくないと思うほど夢中になった。 死をも恐れぬ精神が美徳とされた時代。そんな中で、堕落こそが人間の本質なのだと、異端ともいえる考えを世に発した彼の覚悟に、いまを生きる私も救われたような気持ちになった。 高尚な人ばかりが模範であるかのように扱われるのは、現代もおなじ。故に、そこから逸脱している、欠落していると感じる部分を自ら責めてしまうことも多い。怒ったり、恥じたり、涙を流したり。みっともないところもひっくるめて、人に生まれてよかったと心から思える日が、いつか私にも訪れるだろうか。 それはそれとして、理想や理屈を語り倒したあとに、真の欲望を吐露する構成を私は愛している。しかもその欲は、常人が口にすることを躊躇うほどの正直なもの。安吾の文章からも、もはやユーモアとも呼べるような欲が垣間見える。 運命に従順な姿(老いていく、廃れていく姿も含め)は奇妙に美しいとか、美しいものを美しいままで終わらせたい人情があるとか、未完の美は美ではないとか。あれこれ述べた末に、「これは私には分からない。私は二十の美女を好む」に辿り着くところが最高に人間。しかもそれを言っちゃう正直さ。矛盾を矛盾のまま受け入れる、ある種の強さ。なんて魅力的なんだろう。私が心惹かれる人間は、みんなこの世にいないなあ。 てか、やっと春だなあ。安吾の小説は桜の木のあの、化物のやつがいちばんすき。春はどうにも落ち着かなくて、そわそわして、目が冴えてしまう。このままそっと起きておいて、朝になったら桜を見にいってみるのもありかも。いや、寝るかも。
















