針女

8件の記録
- さき@tohyasan472025年9月23日戦争を経験していない世代が作った戦争を題材にした小説や映像作品などを鑑賞すると、もたらされる悲劇がやたらと感傷的に美しく描かれ、私たちもエンターテイメントとして消費します。 だが、実際に戦争を経験した世代から語られる物語は人々の感情や営みが生々しく、人間の醜さ、脆さ、そして力強さを浮き彫りにしていくよう。 これは、1人の女性が戦争に翻弄されながらも自分を取り戻し自立して生きていこうとする話。 有吉佐和子は仮縫も読んだけど、共通してハッピーエンドとは言えないけど、何故か爽やかな、きっとこのヒロインは大丈夫だろうと思わせてくれるラストだと思いました。
- ゆ@ReadsID20332025年9月6日昨夕書店で手に取って立ち読み。途中でやめられず購入。 昭和18年頃からの、東京市下谷で暮らす主人公清子と仕立て屋大滝三五郎夫婦の暮らしが、清子の視点で書かれている。 戦争が激化していくなか、市井の人の感覚は今想像されるよりものんきなところがあったかも。なるほど。 と思わされるような、日常生活の瞬間瞬間の主人公の感情、感想が、リアル。 有吉佐和子、すごい!と興奮しながら読んでいる。 (東京市入谷区と書いていたのを東京市下谷に訂正しました 9月6日2306)
- ゆ@ReadsID20332025年9月6日読み終わった@ 自宅読み終えた。 すごかった 今日読んだのは 三五郎夫婦の一人息子弘一が出征した後の生活。敗戦、食糧難の戦後、から昭和27、8年頃まで、主人公清子の生活。 この物語の何が凄かったのか。 ちょっと考えてみた。 人の多面性を描き切る筆の力、と言えるかも知れない。 敗戦を経て世の中が変わっていく中でひとの振る舞いの変わるところ、変わらないところ。 自分の思い至らなかったことに気づいた時に、その出来事の意味が違って見えてくる様子。 80年前を舞台にしているが、主人公の心の動きは、今起こっていることを目の当たりにしているような臨場感(?)が感じられる。 いろんな人生と触れ合ったような濃い時間だった。 すごかった。