死んだ石井の大群

8件の記録
- 結@yi_books2025年8月1日読み終わった読み進めるにつれて増える謎と、それらが繋がっていくような、でもズレてもいくような不思議な感覚が、最後に綺麗に回収されるのがめちゃくちゃ心地良かった。 金子玲介さんの作品の"会話や台詞"と"状況や行動"が錯綜するような文体が、現実のようで、戯曲のようで、とても好きだ。
- 堺屋皆人@minahiton2025年7月31日読み終わった2025年ミステリよくあるデスゲームもの、、、と思いきや、しっかりエンタメしている。 前作『死んだ山田と教室』が面白かったので読んだ。 文体も軽く、漫画みたいにスルスル読めるのでありがたい。 序盤は普通にデスゲーム。 理不尽にゲームに参加させられる333人の石井さん。 首輪は『バトルロワイヤル』、同じ苗字は『リアルおにごっこ』、子どもの遊びになぞらえたゲームは『神さまの言うとおり』……などなど、読んでいる最中は色んな既存作が頭を過ぎり、逆にここからどうやってオリジナリティを出してくるのか……と期待した。 前作も前半は男子校のおバカなノリにちょっと切ない青春小説からの、後半は死ぬこと生きることの意味を問う胸熱展開だったので、「このままただのデスゲームでは終わらないよね〜?」と。 その期待通り、デスゲーム参加者の一人でもある石井有一の失踪事件を追う探偵・伏見と蜂須賀の視点で、既存作との類似も作中で指摘され、石井有一の人となりも次第に明かされていき、「ですよね〜」と期待に応えた展開と、収束していく伏線をニコニコ見守らせてくれた。 後半に描かれたメッセージ性は、前作に共通するものがあるので、この作品から入った人は前作を、前作を気に入った方は今作も、ぜひ読んでほしい。 次は『死んだ木村を上演』を読もうと思います。