友人の一番好きな小説なので期待して読んだが、残念ながら私にはあまり…。 日常の謎モノのミステリとしては好きだが、やたらと暴力的で他人を馬鹿にしているキャラが多いのが不思議で仕方なかった。 平成初期のギャグ漫画みたいな暴力描写が多いのに戸惑ってしまった。 謎は面白く、特に「エレファンツ・ブレス」の真相は好み。 平成時代に読んでいたら、ギャグ漫画みたいな暴力描写に引っかかることなく素直に楽しめていたと思う。 もっと早く読んでおくべきだった。

この本には4つの話が収録されていて、私が好きなのは2つ目の「クロスキューブ」です。種明かしのシーンは衝撃でした。 難題が解けなくて困っているときの「立ちどまった場所から一歩を踏み出すきっかけをだれかがつくってくれるなら、それは大人になってしまった僕じゃなくて、同年代で同じ目の高さのきみたちの役目であってほしいんだ」という草壁先生のセリフが好き。 中学生で読んだときは分からなかったけれど、大学生になってから読み返したら、すとんと胸に落ちました。