海外のマンガ。グラフィック・ノベル。 高齢女性が主人公。高齢者施設を抜け出し、誰も知らない土地で一人暮らしを始めるも、突然現れた死の影に怯え、元カノに助けを求める。夫とは死別していて、娘にはかつての同性愛のことは伝えてない。 老人の静かな生活と、不気味に現れる死の影。低めの温度でオフビートに進む。時にA24のホラーのようで、時にジブリのようなお伽話的ファンシーさ。 テーマは重いが、豊か。 これは誰かに貸して布教しちゃう良さ。

読みたすぎてオンラインショップで買った。ついnichinichiさんのリングも買っちゃった。

本屋さんからの帰りの電車内で読んだ。 グラフィックノベル、つまり漫画で、70代のおばあちゃんが主人公。老人ホームを飛び出して自分の好きなように生活し始めるけど、心に体がついてこない。尿漏れや脆くなった骨、すぐ切れる息。そして忍び寄る死の影。でもまだ生きていたい。こうして死に抵抗しつつ、解決策を考える暮らしが始まる。 主人公のクミコはとてもエネルギーに満ち溢れた人で勇気をもらえた。機転がきいて簡単には諦めない。娘たちに入れられた老人ホームを出て一人暮らしを始めるっていうのがもうすごい。物語が進むにつれ、疎遠になっていた人との関わりを取り戻していくのは感動した。あと絵が可愛くて、特に様々な姿かたちでクミコに迫る「死の影」は可愛かったなぁ。

76歳の主人公が「死の影」と闘う、面白そうなグラフィックノベル。 読んで面白かったら、人生の目標が“おばあちゃんになること”な友だちに話したい。

人生の節々で読み返したい。主人公みたいなおばあちゃんになりたい。老いていく勇気をもらえた。