なんとかしなくちゃ。 青雲編
12件の記録
ユメ@yumeticmode2025年11月17日読み終わった感想梯結子という主人公の一代記。NHKの朝ドラを観ているかのような読み心地だった(本書では作中しばしば著者・恩田陸さんによる語りが挿入されるのだが、そこで恩田さんご自身が朝ドラという言葉を使っておられる)。 日常のあちこちに潜んでいる、不便でスッキリしない「キモチワルイ」「モッタイナイ」状態。多くのひとが何となくやりすごしてしまうその状況に、結子は「なんとかしなくちゃ」と対峙する。彼女がいかにして問題を解決し、そのために必要な物資を調達するのか、痛快な思いで見守った。 結子の発想はいつも新鮮な風を吹きこむような視点で面白く、ハッとさせられる。例えば、大学に進学した彼女は城郭愛好研究会に所属するのだが、このサークルでは、実在した城を巡って守る側と攻める側に分かれたシミュレーション・ゲームを行う。史実における城攻めの合戦のIFを検討するものなのだが、守り手に配置された場合、大半の部員が「いかに城を陥落させないか」を考えるのに対し、結子は「いかに和議を結んで生き残るか」を目指す。他の部員に「カケハシ・ドクトリン」と名付けられた、生存して未来に希望を繋ぐことこそ勝利、という考え方が私は好きだ。 この「青雲編」は、結子が大学を卒業するところで幕を閉じている。いよいよ社会に出た結子がどんな問題に遭遇し解決してゆくのか、続く「熱風編」を首を長くして待ちたい。












