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まにまに
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現役書店員
  • 2025年9月2日
    モイラ
    モイラ
    潔癖は狂気 一寸の汚れも許さず 限りなく狂気に歩み寄る そこに中庸はなく 傷つけられた痛みを 怒りに変えることで 望んで敵を作ることで 自身の知らない欲望の アリバイになることさえある 理屈にならない友愛や 理解を超えた情欲が 運命の赤毛を証左するように突きつける時、 たゆたう違う自分自身の姿が まっさらな信仰を揺るがす 即時、 決壊した信心は いびつな半円を描いて はじめて理性とのバランスを保つのだろう まっしろの反対 灰色 灰色の反対 灰色 適度な穢れに 自分を 人を 知り尽くす動線がうごめいている
  • 2025年9月2日
    遠い山なみの光〔新版〕
    遠い山なみの光〔新版〕
    気づきの場所が、 北か南かもわからぬまま あてどなく進み続けていれば 交差する記憶が足元を照らしたり 時には重みになって 行き交う人たちと勾配を共にし 袂を分ったりして それでも歩んでしまう足並みを くさびとなる地点など知らぬまま 過去と呼べる日が来ることを 「生きる」というのなら、 このてのひらも かつての傷も 盲いて、等しく撫でる、 残照のような存在でありたいと 狂おしく願った
  • 2025年8月27日
    女人京都
    女人京都
    歩く度、京都の空気は濃く感じられる。それは天皇が千年いたかつての都の息吹であり、後に国風文化と呼ばれる、平安時代の作家や先達、その衣鉢を継いだとも言える、女性たちの呼気だったりする。現代でも男性が優位を占める時代の中で、悲喜交々、命を全うした彼女たちの行跡に、魔都とも言える京都の深さをいくつも垣間見た気がした。
  • 2025年8月18日
    「あの戦争」は何だったのか
    具体的な出来事をクローズアップするだけでなく、その源流とも言える背景も捉えることで、先の戦争も様々な解釈が成り立ってしまう。肯定・自虐といった二項対立ではなく、らせん状のマーブルな歴史観を幾度も解釈することによって、物語は豊かに醸成されていくのだと思った。
  • 2025年8月4日
    美しい夏
    美しい夏
    虚空も掴みたくなる衝動が、 何度足掻いても、込み上げて来て、 それでいて玻璃のように脆い感情は 砕けても砕けても砕ききれない季節が、 誰のこころにもあった。 十代の夏ってどこか永遠で、 どこまでも続く気がするけど、 背伸びして恋をしたり、 少し年上の同性に憧れたり。 顧みればそれは美しい季節。 だけど、 当時には当時なりの葛藤や嫉妬や涙なんかあって、その頃、苦しんでいた自分を 放っておく訳にはいかない。 性に対する好奇心や、 初めて体感する愛という疼きから吐き出される息はもう白く染まって、 季節の移り変わりを突きつけてしまう。 そしてその残酷な傷跡に気付かぬまま、 人は彼女を時に少女と呼び、時に女性と呼ぶ。 流血は甘い痺れを模倣して。
  • 2025年7月27日
    青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集
    青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集
    確たる視点や気分は保持できず、ただ、今、この地点に、見るべくして見える目の前の光景は、私があるいは、どの他人でもあり得たという、マクロとミクロの中間点のプリズムを、人知れず光らせているとも言える。輝きは呼吸するように、眩く、あるいは、鈍く、ただあるがままに、あり続ける。(パウル・クレー展で購入したブックカバーのおかげで読書が捗りました😊)
    青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集
  • 2025年7月26日
    月に吠える
    月に吠える
    こころが暗(あん)に傾ぐとき、太陽をむしったような白昼の光は眩しすぎて、陰日向の方が落ち着いた気持ちになったりする。孤独や悲しみを丁寧に撫でることは、案外、世界の普遍に触れていて、なんだか安堵に包まれる。萩原の詩がそうであるように。
  • 2025年7月23日
    よみがえる天才1 伊藤若冲
    終生無私を貫いた若冲の人柄が、作品の細部まで投影されており、胸を打たれました。トランプのハートのマークを日本で初めて絵画に持ち込んだ説もあり、どこか遊びがありながら、いつまでも洒脱でいられる若冲の作品は、本人が予告したように、その魅力を十全に堪能するには、まだまだ長い年月を要するのかもしれません。
  • 2025年7月14日
    現代アートを殺さないために
    善と悪、快不快の前に、人間の営みは厳然として存在し、不当なポリコレに同化した大多数の声の前に、ひとつの作品が圧力を受けるなら、現代アートはSNSやインターネットへの接続、非接続を繰り返しながら、硬直した空気への抗議や皮肉の風穴を開ける、貴重なトリックスターにならざるを得ないと、改めて痛感しました。
  • 2025年5月2日
    【合本版】世界99 (集英社文芸単行本)
    キレイごとは並べれば並べるほど、不気味な空白を産む。階段のないところに階段を作ったり、見たくない感情をスマホに落としたり。感動って言葉が安易に落ちてる昨今、自分の感情だって言える気持ちはどれだけあるんだろう。みんな脚元が震えて見える。「ラロロリン」とか「ピョコルン」とか擬音に似た言葉は、皮肉にも、人間より先に言葉がある原始と終末を突いていると思う。
  • 2025年4月27日
    軽いめまい (講談社文芸文庫)
    単調に見える生活も、どこかにくくられていて、平坦な日常も繰り返されると、非日常の瞬間が啓示のように降りてくることを、この小説は見事に体現していると思う。今年読んだ小説の中では群を抜いて面白かった✨
  • 2025年4月4日
    永遠の詩(2) 茨木のり子
    永遠の詩(2) 茨木のり子
    現実から飛躍することのない茨木さんの視点は、情報ばかりで浮遊する今に最も刺さる。言葉が自然体でいて、洗練されており、亡き旦那さんへの詩は、こんなに浄化された愛もあるんだと胸をうたれました。
  • 2025年4月4日
    更級日記
    更級日記
    つましい生活につましい望み。ふとした喜びに切迫する哀感。なにも変わりはしない虚しさと安堵感。時代の中で収斂していく切なる願いまで。
  • 2025年3月30日
    源氏愛憎 源氏物語論アンソロジー
    名作だから千年読み継がれたわけじゃなく、千年読み継がれたから、名作になったのかも。時代によってくるくる評価が変わっていく。今も、これからも。
  • 2025年3月27日
    暗闇に手をひらく
    「作って食べる」「立ち止まるために」が好き。自然のうねりの中に、人が繋がっていることを、改めて噛み締めた。
  • 2025年3月21日
  • 2025年3月9日
    中原中也との愛 ゆきてかへらぬ (角川ソフィア文庫)
    愛とか恋とかの前にある、たくましい長谷川さんの生き方に感動。時折、挿入される中原の詩が天上のように美しい。
  • 2025年3月8日
    翻訳者の全技術 (星海社 e-SHINSHO)
    好奇心のおもむくままに読書を続けていくと、繋がったり、何かのヒントになったりする。また文章の中に留まらず、実際に体験することによって、認知を更新していく。振り切ったような山形さんのしゃべくりが楽しい。
  • 2025年3月6日
    結婚式のメンバー
    結婚式のメンバー
    カーソン・マッカラーズの作品はどれもきゅっと胸を掴まれるような哀しさと温もりがあって、切ない。
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