中原中也との愛 ゆきてかへらぬ (角川ソフィア文庫)

10件の記録
- ayu@hkd_aym2025年3月17日かつて読んだ2年前、地元に古本屋ができてなんか買いたいな〜と思い当時文豪にハマっていたのでなんとなく買ってみた一冊。 3人とも愛やら才能やら惹かれるものがあったからこその関係で、あまりにも辛いようなちょっと憧れてしまうような。 たまたま買って読んだものでなぜ今映画化?! と勝手に運命的なものを感じて久々に引っ張り出した。
- しまりす@alice_soror2025年3月14日読み終わった子供を産んだのは今でいうレイプやDVによるものだったようだ。 その後、いろんな人に助けてもらいながらなんとか少しずつ働いてシングルマザーとして子育てをする泰子。その側には中原もいて都度協力してくれた。 その後、中垣竹之助と知り合い結婚。裕福な家の長男だったため、戦前はあまりお金に困らない生活。 その間、中原が亡くなる。 戦後は少し切り詰めて生活したそうだけれど、なんと世界救世教というのに入信。いずれ宗教をやるようになるという中原の予言があたる。 その後の余生もあくせく働くという様子もなくどこか浮世離れしている。 ファムファタールといえばそうであるが、彼女は恋愛に生きたという実感はなく、まさに「思想の里」を求め歩んできた一種の求道者の感覚だったのだろうと思う。中原も小林も、彼女にとっては教会のような止まり木であったのではないか。 その点を中原は見抜き、宗教をやると予言したのではないか。 人と関わる時、その人の関わり方の癖というのが出る。長谷川泰子はそんな人の思想に寄りかかり居着く関わり方の人間だったというわけで。果たして自分はどうか、自分の周りの人間はどうか、色々と振り返って考えを巡らしてみるのも面白い。 本作の解説者各位のように、中原や小林、大岡昇平の作品はあまり読んでいないから、そちらの方面の感想はあまり深く持てなかった。これから触れていきたいと思う。
- しまりす@alice_soror2025年3月12日読んでる泰子の元から小林が去り、中原とよりを戻すと思いきや次の展開では別の人間の子供を産むという 今であっても事実を列挙すれば破天荒でなんとも逸脱が過ぎる女性 小林とはこうだったのか、中原とはああだったのか、語られていない領域まで彼女の心理をあれこれ考えてしまう、想像を掻き立てられる、生前もそんな人間だったのだろうと思う
- しまりす@alice_soror2025年3月11日読んでる女優になる夢を叶えるため、女学校を卒業して19歳でよく知らぬ男の永井について広島から東京に出ていく怖いもの知らずの長谷川泰子 20歳で中原中也と同棲、翌年富永太郎という中原の文学語り仲間より小林秀雄と知り合い、中原から小林のところへ この頃から極度の潔癖症になる それによって幾度も引っ越しを繰り返す 上京、同棲、間を空けずに別の男性と同棲と、思い切りの良い豪胆さもある一方で、普通の生活もままならないほどの潔癖症になってしまうなど、さながら強さと脆さを積み重ねた地層を持つ女性 最後に小林と住んだのは、大岡昇平やのちに「のらくろ」を描く高見沢路直など、錚々たる文豪が近くに住むという、夢のような環境の谷戸の文化村 大岡昇平は小林秀雄に仏語を習っていたそうな